いよいよ復帰するオートレーサー「森且行」の現在地 専門家は「2度も大ケガする選手は珍しい。このまま低迷すれば…」

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落車事故の現状

 落車事故が起きるのは、決して珍しいことではないようだ。オートレースに詳しい別の記者が言う。

「死亡事故について考えてみましょう。オートレースは1949年、初めてのレースが開催されました。当時は土や石のあるダートが会場だったので、死亡事故が多かったのです。ところが今のようにレース場がアスファルトで舗装されるようになると、死亡事故は減少しました」

 これまでにオートレース選手の殉職者は計96人だが、これはダートコースでの発生を含んだ数字だ。

 80年代からの新聞記事を網羅しているデータベースを検索すると、オートレースでの死亡事故を伝える記事は数件が表示されるだけだ。

「落車事故は死亡事故の比ではありません。毎日、全国のどこかでレースが開催されているため、数日に1件は起きているでしょう。オートレースはすり鉢型のコースを回るので遠心力が働きます。落車事故の大半は、選手が外側に弾き出され、金網に当たるケースです。すぐに立って歩けるほどの軽傷事故も珍しくありません」(同・記者)

 だが、バイクも一緒に外側へ飛び出すと、選手が重傷を負う危険性が上がる。

「特に金網とバイクの間に選手が挟まれると、重傷のケースが増えます。『落車事故を1度は経験した』という選手は珍しくないですが、森さんのように2回も大きな事故に遭い重傷を負った選手となると、極めて稀でしょう。21年の事故も、足の骨を折っただけなら復帰は早かったはずですが、腰椎の骨折は治療が大変なため2年3カ月のリハビリを余儀なくされました。不運だったとしか言いようがありません」(同・記者)

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