侍ジャパンに「精神面」「体力面」で後遺症はあるか 「バーンアウト(燃え尽き症候群)は医学的に証明されている」

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20代と30代の差

 WBCほどの大舞台になると、試合に起用されなかった選手でも悪影響が出て不思議はないという。

「ベンチにいるだけで、襲いかかる緊張感もかなりのものでしょうし、試合の展開に応じてアドレナリンも出まくります。バーンアウトは医学的にも事実だと証明されています。WBCの選手登録数は30人。そのうちの数人に症状が出たとしても、当然だと言えるのではないでしょうか」(同・広澤氏)

 2022年シーズン、日本のプロ野球では各チームが年間143試合を戦った。これだけでも大変な数字だが、大リーグは年間162試合に加え、ポストシーズンに進めば最大22試合が行われる。

 ダルビッシュや大谷、レッドソックスの吉田正尚(29)、ラーズ・ヌートバー(25)の体にかかる負担は大丈夫なのだろうか?

「サッカーやテニスといった走りっぱなしのスポーツに比べると、野球の運動量はそれほど多くはありません。ただし、練習は非常にハードです。いわばプロ野球選手は体力が過剰な状態でシーズンに臨んでいるわけです。特に昭和のプロ野球は猛特訓が日常でしたから、試合が終わっても余力がありました。夜遊びをしてしまう選手が少なくなかった原因です。今の選手でも、20代なら一晩寝れば余裕で回復できると思います」(同・広澤氏)

 その一方で、ダルビッシュは今年の8月で37歳になる。プロ野球選手としては、かなりの“ベテラン”だと言っていい。

「普通の人でも、40代なら徹夜仕事が平気でも、50代になると無理というケースは多いと思います。同じことが30代のプロ野球選手に起きるのです。20代なら一晩寝れば取れる疲れも、30代の選手は蓄積していきます。ダルビッシュが今シーズン、どれだけの成績を残せるのか、ファンならずとも要注目ではないでしょうか」(同・広澤氏)

デイリー新潮編集部

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