侍ジャパンに「精神面」「体力面」で後遺症はあるか 「バーンアウト(燃え尽き症候群)は医学的に証明されている」

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深刻な後遺症

 2017年のWBCでも予選を勝ち抜き、準決勝でアメリカと対戦。2−1で惜敗した。

 そしてWBCが終わると、間髪入れずシーズンが開幕した。2017年は敗北から10日後の3月21日、セ・リーグとパ・リーグが同時開幕。日本シリーズはソフトバンクと横浜DeNAの対戦となり、ソフトバンクが日本一に輝いた。

 シーズン後半の10月4日、産経新聞が「【プロ野球】侍Jのトラ藤浪、ツバメ山田ら『WBC後遺症』で沈む」との記事を配信した。

《今季のプロ野球は昨季まで各チームを支えた主力選手が不振に陥る事態が起きた。共通するのは、リーグ開幕前に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表選手だったという点。投手は阪神の藤浪やロッテの石川ら、野手ではヤクルトの山田や日本ハムの中田らが不調に苦しんだ。使用球の違いや調整法の狂いなどで生じた「WBC後遺症」が個人成績だけでなく、所属するチーム成績にも大きな影響をもたらしたといえる》

 記事で名前の出た選手の成績を確認してみよう。

 阪神の藤浪晋太郎(28)は開幕前からWBCの影響による調整不足が指摘されていたが、シーズンが始まると36四死球を出す乱調で、5月27日に登録抹消となった。

 ロッテの石川歩(34)もシーズンが始まると3敗、防御率7・62と全く振るわず、やはり4月18日に二軍落ちとなった。

ロッテは低迷

 ヤクルトの山田哲人(30)は2015年、16年とトリプルスリーを達成し、17年のWBCも打率2割9分6厘、2本塁打、5打点と大活躍。だがシーズンは不調が続き、打率2割4分7厘、24本塁打、14盗塁と3年連続のトリプルスリーは逃してしまった。

 日本ハムの中田翔(33)もWBCでは5番打者として、3本塁打8打点と気を吐いた。ところがシーズンが開幕すると極度の不振に陥り、打率2割1分6厘、16本塁打、67打点とレギュラー定着後、自身の最低記録となった。担当記者が言う。

「チーム全体がWBC後遺症に悩まされたと話題になったのがロッテです。2005年には日本一に輝き、2006年の第1回WBCには8人が日本代表に選ばれました。WBCでも世界一となりましたが、シーズンが始まるとチームは低迷。セ・パ交流戦では優勝するなど立ち直るかと思われましたが、最終順位は4位とBクラスでした」

 立て直しには成功したが、かなりのダメージを被ったのがイチロー(49)だ。2009年のWBC決勝戦では、延長10回に劇的なタイムリーヒットを放ち、その映像は今もテレビ番組などで紹介されている。

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