WBCはサッカーW杯を超えた…視聴率から読み解く、オワコンといわれた野球中継の“課題と光”

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若い視聴者が野球を楽しんだ

「確かにイタリア戦は、男女とも3層は40%を超えていましたから実際そうなのでしょう。しかし、コア層(13~49歳の男女)の視聴率も20・0%を記録しました。これがどういう数字かといえば、同じ週のWBC以外のコア層トップは『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)の7・1%で、ほぼトリプルスコア。昨年大ブームを起こしたドラマ『silent』(フジテレビ)でもコアは5・3%とWBCの4分の1に過ぎません。また、2層(35~49歳)の男女を比べると、男性(20・0%)よりも女性(25・3%)のほうが高かった。しかもこれは、全試合に共通したことでした。女性視聴者が多いことはスポンサーにとっても喜ばしいことであり、野球のみならずテレビ局としてもオワコン脱出のいい兆しが出てきたと見ていいでしょう」

 イタリア戦の48・0%は、WBCの歴代視聴率はもとより、昨年のサッカーW杯の最高視聴率、コスタリカ戦(1次リーグ)の42・9%をも超えた。

「やはりサッカーより野球という声も聞きますが、そう簡単ではありません。世帯視聴率ではWBCの圧勝ですが、個人視聴率はWBCが31・2%、W杯が30・6%と僅差です。ところがコア層で見ると、WBCは20・0%、W杯は25・0%ですから、いまだ野球は高齢の視聴者層に支えられているということです」

 もっとも、明るい兆しもあるという。

「WBCイタリア戦ではC層(4~12歳の男女)が17・0%、T層(13~19歳の男女)が17・5%も取りました。まだサッカー人気には及ばないものの、野球の面白さが若い世代に浸透していけば、サッカーを超えることも夢ではないかもしれません」

 なぜ若い世代に野球が受けたのだろう。

「今回の優勝は“マンガのような展開”とよく形容されましたが、まさしくマンガ好きに刺さったことがコア層やCT層の数字を押し上げた要因でしょう。アニメ映画では今になってバスケットボールの『スラムダンク』が大ヒットしていますが、マンガ家が再び野球にも注目してくれたら、『巨人の星』のような栄光が全世代に波及するかもしれません」

デイリー新潮編集部

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