韓国で大人気の「スラムダンク」応援上映に行ってみた 絶叫しながら鑑賞する“オタク女子” 17歳高校生は「7試合目」

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「ディーフェンス! ディーフェンス!」「ファイティン(がんばれ)!」。パブリックビューイング会場のような熱狂である。ここは韓国ソウル市の繁華街・江南(カンナム)の映画館。いまソウル各地では週末になると、日本のアニメ映画「THE FIRST SLAM DUNK」の「応援上映」が開催され、スクリーンに向かって“オタク女子”が絶叫しているのだ。

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90年代のバスケブームが再燃

 映画「THE FIRST SLAM DUNK」は、1990年代に「週刊少年ジャンプ」で連載された人気漫画を、原作者の井上雄彦氏が自ら監督・脚本を務めて映像化した作品である。日本でも昨年12月に公開されて以降、興行収入100億円を突破するなど大ヒット中だが、熱気だけで比較すると、隣国・韓国の方がすごいことになっているという。

「観客動員数はこれまで日本アニメで1、2位だった『君の名は。』や『ハウルの動く城』を抜き去り、400万人を突破しました。ソウルでは2月から毎週末に各地で、声出しOKの『応援上映』が開催されています」

 こう語るのは今回の取材をナビゲートしてくれた通訳のオさんである。オさん自身も、1月に同作が韓国で公開されるや、すぐに高校3年生の息子を連れて観に行った。50歳になったばかりのオさんは、「スラムダンク」ど真ん中の世代だ。

「私が大学生の頃、韓国でも漫画が大流行したのです。いまの韓国ではウェブ漫画しか読まれませんが、当時は週刊の漫画誌がいくつかあって、そこで連載されていました。実際、90年代に韓国ではスラムダンクがきっかけでバスケットボールブームが起きた。日本の野球やラグビーの早慶戦みたいな盛り上がりで、大学バスケットボールリーグが注目され、94年にはチャン・ドンゴン主演の『ファイナル・ジャンプ』という高校バスケ部を舞台にしたドラマも流行したんです。公開当初の『THE FIRST SLAM DUNK』ブームを牽引したのは、そうした青春時代を懐かしむ40~50代のおじさんたちです」

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