小倉優子はやっぱり賢い? YouTuberの台頭で芸能人に求められる「セカンドキャリア」と「品格」

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再生数至上主義のYouTuberたちによって見えてきた「芸能人としての条件」

 こうした変化の裏には、芸能事務所や業界ルールのさまざまな闇がクローズアップされてきたこと、また経済不況も関係しているだろう。売れっ子ほど芸能界への未練はないと口にする傾向もある。マツコ・デラックスさんに指原莉乃さん、ローランドさんにヒコロヒーさん。彼らほどの人気を誇る人がそこまで言うのなら、知名度の低いタレントほどセカンドキャリアを考えざるを得ないのではないか。

 決定打はYouTuberやインフルエンサーの台頭だ。すでに飽和状態となった今、ママタレ界同様、キャラや企画で新しいポジショニングが取れなくなってきている。だからだろうか、最後に頼るのは「テレビでは言えないこと・できないこと」という過激さ勝負になっている側面が強い。整形、爆買い、性的な演出に暴露合戦。一般人への暴言や嫌がらせ、ルッキズムや男女対立をあおる発言など。炎上させて再生回数を稼ぎ、謝罪動画でまた稼ぐ。彼らのような存在が出てきたことに、テレビを主戦場とするタレントたちは戦慄を覚えたはずだ。

 しかし一方で、こうした風潮に反発や不愉快さを覚える人も増えてきた。逆説的だが、今テレビタレントに求められる条件は、YouTuberとは一線を画す「品格」ではないか。

 ガーシー氏のように、芸能人の裏の顔をバラし、タレコミを集めるアカウントも複数ある。オンでもオフでもお行儀の良さを保ち続けなくてはいけない息苦しさを考えれば、セカンドキャリア構想はますます避けられないものになるのだろう。そこに「品格」も加えられるならば、有名大学に挑戦したゆうこりんの選択は納得だ。進学先はまだ明らかになっていないが、ママタレというステージから一歩抜け出すことには成功したのではないだろうか。

それでも賞味期限としては短い学歴タレントの肩書 受験はゴールではなくスタートと語るゆうこりんの今後は?

 東大など有名大卒タレント、という肩書がかつてありがたがられたのは、芸能人なんて学歴は必要ないという価値観が根付いていたからだ。けれども今や、高学歴のタレントなんて珍しくもない。学問に限らず芸術や運動の分野で活躍する、二刀流・三刀流タイプも出てきていることを考えれば、学歴のあるママタレというのは新鮮だが、賞味期限は意外に短いかもしれない。

 顔や金の話に全振りするインフルエンサーと、高学歴の芸能人。実は両者とも将来に不安がある故の行動という点は変わらず、短期的に稼ぐか長期的に稼ぐつもりなのかの視点の違いにすぎないのだろう。そう考えるとそもそも、エンターテイメントの世界にいることの魅力は先細っていくのではないだろうか。

 ゆうこりん自身も「大学合格がゴールではなく、ここからが本当のスタートだと思っています」とコメントしていた。彼女はこの受験エピソードを足掛かりに政界進出するのでは、と以前書いたことがあるのだが、ますます現実味を帯びてきた。白いスーツで街頭演説に立つ小倉優子候補、めちゃくちゃ想像がつく。次回の密着企画は、政界進出ドキュメントではないだろうか。

冨士海ネコ

デイリー新潮編集部

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