栗山監督、WBCで「V逸」でも引く手あまた 1次リーグ全勝の“采配力”を超えた手腕とは

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「原監督で今回のメンバーが集結したか」

 栗山監督と交流がある元NPB監督が指摘する。

「(2009年大会でWBC制覇に導いた巨人の)原(辰徳)監督でさえ、今回のメンバーを集められたかどうか。ヌートバーの出自を調査し、日系人を初めて代表に抜てきしたことも大きなヒット。切り込み役としてチームを鼓舞するプレースタイルや人間性を把握した情報収集能力にも感心させられる。これだけのチームに編成した力は今の日本球界では余人をもって代え難い。3・11に佐々木を先発させるなどした投手起用は、吉井(理人=ロッテ監督)投手コーチに任せているようで、選手での実績豊富な監督にありがちな、何でも自分で決めたがるところもない。以前から栗山監督はGM(ゼネラルマネジャー)に適性があると思っていたが、代表監督の仕事が終われば、古巣の日本ハムなどは黙っていないのではないか」

 栗山監督は選手としてはドラフト外でプロ入りし、超一流選手にはなれなかった。現役引退後はスポーツキャスターとして選手を直に取材するなどし、地道に人脈を広げた。

 11年オフ、50歳にして日本ハム監督に就任。ドラフトや外国人選手の獲得などの補強を巡り、球団に要望や意見することなく、与えられた戦力でグラウンドの仕事に集中し、実に10年も勤め上げた。この元監督は「野球人として下積みや板挟みになる苦労を知り、包容力を大きくしていっただけに、人が集まるのだろう。WBC優勝でもすれば、いち球団のGMにとどまらない存在になるかもしれないが、契約最終年の新庄(剛志)監督が今季も不振なら、稲葉(篤紀)GMが監督になる可能性がある日本ハムだけではなく、その他の球団も招聘に動き、争奪戦に発展するかもしれない」とも予想している。

デイリー新潮編集部

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