最速158キロ 「山下舜平大」も生みだした、オリックス“高卒育成プログラム”
野茂氏からも“合格点”
身長1メートル90、体重89キロの恵まれたサイズから投げ下ろすストレートだけではなく、落差の大きいカーブも魅力だ。さらには2月15日、清武キャンプ視察に訪れていた元メジャーリーガーで、オリックスの前身球団・近鉄OBの野茂英雄氏から「フォーク」を伝授された。
メジャーを席巻したトルネードの指導を受け、山下がフォークを試投した直後の、まさにその1球目だった。ストンと落ちたその落差に、野茂氏が思わず山下に向かって右手の親指を差し出す「サムアップ」。即座に“合格点”を出したほどの器用さも兼ね備えている。
実は、昨年の日本シリーズ初戦で左わき腹を痛めたエースの山本がその後、シリーズ中では登板回避となっていた。そのため、仮に8戦までもつれこむような展開になれば、山下の先発起用が検討されていたといい、実際に山下は日本シリーズにチーム帯同していた。
もし、デビューが日本シリーズだったら、異例中の異例のことだった。そうやって山下も大事に、丁寧に、時間をかけて育て上げてきた。
「舜平大も、ものすごいいい体になってきたでしょ? ホント、まだどんどん大きくなるもんな」
その成長が加速度を増していることには、福良GMも驚くほどだ。
投手陣が充実している今だからこそ、その先を睨む。それが、常勝チームを作っていくために重要な“布石”でもある。
そして、斉藤と日高のブルペン投球時にも見られたように、その育成の進捗状況を、現場の首脳陣とフロントが、きちんと共有している。
オリックスの「強さ」の裏付けが、そこに見えた。
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