上海で中国人女性に騙される日本人サラリーマンが増加中 中華料理店の罠にハメられて【元公安警察官の証言】

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 日本の公安警察は、アメリカのCIA(中央情報局)やFBI(連邦捜査局)のように華々しくドラマや映画に登場することもなく、その諜報活動は一般にはほとんど知られていない。警視庁に入庁以後、公安畑を十数年歩き、数年前に退職。一昨年『警視庁公安部外事課』(光文社)を出版した勝丸円覚氏に、上海の中華料理店でぼったくりの被害に遭った日本人サラリーマンについて聞いた。

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 中国がゼロコロナを解除したのは昨年12月8日。それ以来、上海で日本人を狙ったぼったくりが急増しているという。

「中国に赴任、もしくは長期出張している20代の日本人男性が被害に遭っています」

 と語るのは、勝丸氏。

「12月だけで上海の日本総領事に10件の相談がありました」

出会い系アプリ

 被害者はいずれも出会い系アプリを使っていた。

「出会い系アプリで知り合った中国人女性からランチに誘われるのです。高級中華料理店で食事をするのですが、2人で1万円か2万円だと思っていたら、7000元(約14万円)請求されたそうです」

 勝丸氏は、被害に遭った男性の一人から電話で話を聞いたという。

「私の知人の企業関係者から、『うちの社員が上海で被害に遭ったから、話を聞いて欲しい』と依頼があったんです」

 20代後半のその男性は、あるプロジェクトに参加するために上海に長期出張していた。

「中国語と英語が話せるエリート社員でした。彼は、中国でハニートラップに遭うと写真を撮られて、公安に踏み込まれることを良く知っていました。中華料理店なら、ハニートラップの恐れのあるカラオケクラブやガールズバーではないし、アプリで知り合ってランチするだけなら問題ないだろうと思ったそうです」

 現れた中国人女性は、かなりの美人だった。

「20代後半で物腰の柔らかい人だったそうです。メニューを見ると、料理の写真だけで価格は載っていなかったそうです。何品か料理を選び、2人でビールを1杯ずつ注文したといいます」

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