侍ジャパンへの二つの懸念 キャプテン不在と守護神問題が

スポーツ 野球

  • ブックマーク

Advertisement

 WBCのための侍ジャパン合宿が宮崎で始まったが、ファンの間では二つの懸念がささやかれている。

 一つめは、キャプテンを置かないこと。栗山英樹監督いわく「全員がキャプテン」なのだそうな。

 2004年アテネ五輪や08年北京五輪では宮本慎也、13年第3回WBCで阿部慎之助、15年第1回WBSCプレミア12では嶋基宏がキャプテンを務めた。正式なキャプテン不在の大会でも、イチローや松田宣浩や坂本勇人がリーダー格だった。

 混成チームにおいて精神的支柱は不可欠に思えるが、

「今のところ、メジャー組で唯一合宿に参加しているダルビッシュ有がキャプテン、いや監督をもしのぐカリスマになっていますが……」

 とスポーツ紙デスクが苦笑しつつ、

「投手は毎日試合に出るわけではないので、基本的にキャプテンは野手。ただ、外野のレギュラーは鈴木誠也、吉田正尚、ヌートバーのメジャー組で合宿には来ていない。内野は村上宗隆、源田壮亮、捕手は甲斐拓也がレギュラー確実ですが、村上は若過ぎるし、源田や甲斐がこのチームをけん引できるかというと……」

“守護神”問題

 史上最強の呼び声高いメンバーだが、意外にもキャプテンに適した選手がいなかった。まあ、これはこれで今風なのかもしれないが。

 もう一つの心配事は“守護神”である。

「東京五輪で好投した栗林良吏が軸ですが、球数制限があることからもう一枚ほしい。でも、大勢は膝を曲げる“カックン投法”への改造を断念。松井裕樹も、練習試合で新人に本塁打を浴びるなどパッとしない」

 一時期、大谷翔平との声も上がったが、エンゼルスからは「先発OK」つまり抑え起用をダメ出しされた。

「今は、リリーフ経験がある山本由伸を先発から転向させる案が浮上しています」

 あれやこれやと気をもむのもファンの楽しみである。

週刊新潮 2023年3月2日号掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。