田中将大、WBC“復活当選”は「既定路線」の声 バックアップ要員入りで出来レース継続中?

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19年MLB球宴、代替出場で日本人初の快挙

 21年の東京五輪、田中は精神的支柱の役割を期待され、「稲葉ジャパン」入りを果たした。しかし、MLBから楽天復帰後の昨季までの2年は4勝、9勝と往時の面影がない。ダルビッシュ有投手(パドレス)のように、実力が伴ってこそベテランが伝える経験や技術は説得力を帯びるものである。今の田中に対し、栗山監督は何を期待することになるのだろうか。

 ヤンキース時代の担当記者は、19年のMLBのオールスター戦を引き合いに、楽天でのプロ1年目に当時の野村克也監督に“神の子”と呼ばれた田中の不思議な勝ち運だと指摘する。

「この時のオールスターで田中はけが人に代わり、本番直前にメンバー入りした。メジャー1年目に選出はされたが、球宴登板はなかった。二回表にア・リーグの2番手として初登板すると、1回を無失点で切り抜けた。その裏の攻撃で味方が1点を先制。ア・リーグが最後までそのリードを守って4-3で勝ったことで、田中は日本投手として初めて球宴で勝ち投手になった。予定になかった出場で白星まで付くとは……。やはり田中は強運の星の下に生まれていると思った。今回、指名投手枠でWBC出場となれば、当時の活躍の再現を期待してしまう」

 ヤンキース時代の田中はポストシーズンもめっぽう強かった。特にその19年。地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズでいずれも勝ち星を挙げた。今でも大舞台でこそ真価を発揮する投球が、ニューヨークのファンの脳裏に刻まれている。田中の退団後、ポストシーズンでヤンキースが敗退すると、一部で待望論が巻き起こるほど大一番では印象的な活躍を演じた。

「決戦の地」フロリダを熟知する田中

「田中はメジャーのポストシーズンだけではなく、WBC、五輪と国際大会での実績が十分。公式球やメジャーのマウンドも熟知している上、(今大会の)準決勝以降が行われるフロリダ州はヤンキース時代のキャンプ地(タンパ)だった。どのみち代表の投手陣全員が投げるわけではないのだから、田中に登板機会がなかったとしても他の投手をサポートできるだけに、代表に招集する価値はあると思う」(前出の元コーチ)

 今回のWBCのルールでは1次ラウンド後、準々決勝後に指名投手枠から、それぞれ2人の入れ替えが可能だ。

「オリックスから平野、山崎が選ばれたのは栗山監督が日本ハム時代にコーチなどでともに戦った中嶋(聡)監督との関係もあるだろう。ロッテの2投手は代表の吉井(理人)投手コーチが、自身が監督を務めるチームから身を切った形。現メンバーに不測の事態が起きた際の保険的な意味合いが見て取れる投手も少なくないのだが、田中の選出は平野ととともに、その点に合致しない。しかし、それも代表入りが前提にあるなら合点が行く」(同)

 田中が代表に合流すれば現実的には第2先発グループ入りが見込まれる。同グループは大谷翔平(エンゼルス)、ダルビッシュ有(パドレス)、山本由伸(オリックス)、佐々木朗希(ロッテ)の第1先発グループに比べ、実績、実力共に劣る。2月25日のソフトバンクとの強化試合では、宮城大弥(オリックス)が4失点を喫している。田中が得意の一発勝負となる準々決勝以降での代表合流は十分にあり得る現状だ。

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