新シーズン開幕の「リブゴルフ」に続く追い風 世界ランク対象ツアー承認間近でも、残る不安材料

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リブ選手を排除しないことを発表

 さらなる追い風は、初戦の開幕直前に英国と米国の双方から吹いてきた。

 2月21日(米国時間)、全英オープンを主催するR&Aのマーティン・スランバーズ会長は「出場資格を満たしている選手は、今年の全英オープンに出場できる」とする声明を出し、リブゴルフ選手を制限・排除しない姿勢を明らかにした。

 その翌日、全米プロの主催者であるPGAオブ・アメリカのセス・ウォー会長も「PGAツアーとリブゴルフの対立は認識しているが、PGAオブ・アメリカは全米プロを最強のフィールドにすることを目指す」として、出場資格を満たしているリブゴルフ選手を同大会で受け入れることを発表した。

 マスターズを主催するオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブと全米オープンを主催するUSGAは、すでにリブゴルフ選手を排除しないことを発表済みであり、これでメジャー4大会すべてにおいて、それぞれの大会の出場資格を満たすリブゴルフ選手が出場できることが正式に決定した。

 メジャー大会への出場は、リブゴルフを率いるグレッグ・ノーマンCEOにとっても、移籍した選手にとっても、最大の関心事であり悲願でもあった。メジャー大会に出場することは、選手のモチベーションを高く維持する上できわめて重要であり、高めに傾斜配分される世界ランキングのポイントを効率的に稼ぐという意味でも絶好の場となる。

 2年目のシーズン開幕直前に、その実現が決まったことは、リブゴルフにとっては何よりの朗報だ。天にも昇る気持ちだっただろう。

世界ランキング対象ツアーの承認も間近か

 リブゴルフにとって断然有利となるであろう、さらなる追い風もある。

 リブゴルフは昨年7月、世界ランキングをつかさどるOWGR(オフィシャル・ワールド・ゴルフ・ランキング)に、世界ランキングの対象ツアーとしての承認申請を提出。現時点では返答も反応も得られておらず、「検討中」とされている。

 承認のための審査・検討を行なう7名の理事の中には、リブゴルフと対立するPGAツアーのジェイ・モナハン会長やDPワールドツアーのキース・ペリー会長、インターナショナル・フェデレーション・オブ・PGAツアーズのキース・ウォーター会長の3名が含まれていたため、「リブゴルフは永遠に承認されないのでは?」とも言われていた。

 しかし、今年になって3名は突然、自主降板を表明。リブゴルフの審査は残る4名の理事が行なうことになり、その4名はメジャー大会を主催するオーガスタ・ナショナルなど4団体の会長とエグゼクティブだ。

 すでにリブゴルフ選手を受け入れることを発表したメジャー4大会の主催者たちが、世界ランキングに対してだけ「ノー」と言うとは考えにくく、リブゴルフが世界ランキングの対象ツアーとして承認される可能性は高まったと見るのが妥当である。

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