新シーズン開幕の「リブゴルフ」に続く追い風 世界ランク対象ツアー承認間近でも、残る不安材料

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 昨年6月に創設されたリブゴルフは、ゴルフ界を大揺れさせてきた。そうした中、2月24日から2年目のシーズンがスタートし、メキシコ・マヤコバのエル・カマレオンGCで2023年の初戦が賑やかに開催されている。創設当初は「リブゴルフはいつまで持つか?」と長期持続を疑問視する“リブゴルフ短命説”が多く出回り、大金を積まれたビッグネーム以外、移籍する選手はいないと見る向きも多かった。しかし、初戦の開幕前に、そうしたネガティブ論を否定する出来事が立て続けに報じられ、リブゴルフは嬉しい追い風に押し上げられながら2年目の春を迎えている。【舩越園子/ゴルフジャーナリスト】

4選手が移籍

 PGAツアーに背を向け、新たにリブゴルフへ移籍したのは、チリ出身のミト・ペレイラ、コロンビア出身のセバスチャン・ムニョス、ベルギー出身のトーマス・ピータース、そして米国出身のブレンダン・スティールの4名。いずれも、それなりに実績を積んできた選手だ。

 とりわけ31歳のピータースは、米欧対抗戦ライダーカップの欧州チームの主戦力として大活躍してきた実力派。しかし、ピータースは、世界ランキング34位の好位置だったにもかかわらず、PGAツアーのジェネシス招待の出場者リストに自分の名前が載らなかったことに激怒。それがリブゴルフ移籍を決めた理由と見られている。

 39歳のスティールは、米カリフォルニア州のゴルフ練習場すらない山の中で育った。隣町のハイスクールに入学後、初めて「本物のゴルフ」に触れ、必死の努力で憧れ続けたPGAツアーにたどり着き、通算3勝を挙げたという異色の経歴の持ち主だ。

 つい最近までPGAツアーへの忠誠を口にしていたスティールの突然の移籍はゴルフ界に衝撃を与えたが、リブゴルフにとっては絶好のアピールになったことは言うまでもない。

 昨シーズンは懸案事項とされてきたテレビ中継の放映権契約もようやく決まり、今年からはCWネットワークが生中継を担当。早くもスポンサー第1号として、配送業やEコマース、ソフトウウェアの開発などを手がける「イージーポスト」が名乗りを上げ、テレビ中継の体制固めという面でもリブゴルフに追い風が吹き始めている。

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