アメリカ軍の凄すぎる「気球撃墜大作戦」 炭疽菌を積んで飛ばされたら日本は一巻の終わり

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空中給油機や哨戒機、巡洋艦も展開

「F22が積んだのは『AIM-9Xサイドワインダーミサイル』でした。このミサイルは赤外線画像を認識することができます。気球の形を記憶、認識し、それに向かって飛んでいくわけです。F22が選ばれたのは、機内にミサイルを格納できるからでしょう。主翼に搭載するより空気抵抗が少なく、超高高度での安全性が高まります」(同・軍事ジャーナリスト)

 ちなみに2機のF22には「フランク01」「フランク02」というコールサインが与えられた。これは第一次世界大戦でドイツ軍の気球14機と航空機4機を撃墜したアメリカ軍のエースパイロット、フランク・ルーク(1897~1918)に由来する。

 F22が失敗した時に備え、2機のF15戦闘機がバックアップとして空中で待機。F15は作戦の記録や撃墜ポイントの確認なども担当したという。さらに、燃料が少なくなった時のためにKC135空中給油機も近くを飛んだ。

「領海上にはP8ポセイドン哨戒機が投入され、気球の残骸が着水した場所を確認しました。その回収に巡洋艦と駆逐艦、強襲揚陸艦が駆り出されています。空軍と海軍が連携し、領海上に出たタイミングを見定めて超高高度でミサイルを発射、落下地点を確認して回収する。極めて大がかりで難易度の高い作戦だったことは明らかで、アメリカ軍にとっても相当な負担だったはずです」(同・軍事ジャーナリスト)

自衛隊に撃墜は不可能!?

 別の作戦では、ミサイルが命中しなかったことも判明している。AFP時事は2月15日、「未確認物体、一発必中ならず 米軍機」の記事を配信した。

「12日に行われた気球の撃墜作戦では、アメリカとカナダの国境に近いヒューロン湖の上空で、F16戦闘機がサイドワインダーミサイルを1発射ちました。ところが外れてしまい、ミサイルは湖に落ちました。2発目が命中して撃墜に成功しましたが、このことからも難易度の高い作戦ということがよく分かります」(同・軍事ジャーナリスト)

 浜田靖一防衛相(67)は14日の記者会見で、気球が日本に飛来した場合は武器が使用できるとの見解を示した。

 さらに毎日新聞(電子版)は15日、「政府、気球への武器使用の運用拡大を検討 正当防衛・緊急避難以外も」の記事を配信、YAHOO!ニュースのトピックスにも転載された。

「日本の航空自衛隊も海上自衛隊も練度の高さは世界トップクラスです。とはいえ、実際に撃墜するとなると大変でしょう。特に日本はU2偵察機を所有していないので、気球を撃墜しても大丈夫かどうか判断するのは苦労するはずです」(同・軍事ジャーナリスト)

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