ロシア軍“自慢のターミネーター”装甲車が爆破された…専門家は「中途半端すぎる」と低評価

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火力で劣る

「火力では、75cmの装甲を貫通するT-90の主砲に劣ります。T-90に装備された43発の主砲弾のうち6発が対戦車ミサイルで、飛翔速度はマッハ2以上。最大射程5kmの目標まで6秒で到達します。また、一般の装甲車のように歩兵を運ぶこともできません。そういう意味で非常に中途半端ですね。今のところ、ロシアにはBMPT-72は10両しかありません。ウクライナで破壊されなかったのは、極めて数が少ないからですよ」

 製造元であるロシアの戦車メーカー「ウラル・バゴン・ザヴォート」によれば、ターミネーター1両で歩兵戦闘車6両と40名の歩兵からなる狙撃兵小隊4個分の戦闘能力があるという。

「BMPT-72は、対戦車というよりも、歩兵から戦車を守る目的で作られています。ウクライナの歩兵は、ジャベリン(携行式地対空ミサイル)やNLAW(携行式対戦車ミサイル)などを使って、これまで1000両以上のロシア軍の戦車を破壊しています。戦車は真上からの攻撃に弱いのです。そこでBMPT-72を配備したのでしょう。これまで戦車を守るために歩兵戦闘車(歩兵を乗せる装甲戦闘車両)が配備されていましたが、これは装甲が薄いのですぐにやられてしまいましたからね。とはいえ、BMPT-72は火力が劣るので戦闘能力は大したことはない」

 ウクライナがこれまで破壊したロシアの戦車は1012両(2月10日現在)。ウクライナ軍の手に渡った車両も含めると1700両を超える。ロシアが運用可能だった戦車数は約3000両だったため、半分以上を失ったことになる。

「ロシアはこれまでBMPT-72を歩兵にとって脅威的な存在だと宣伝していました。結局は、ただの脅しに過ぎないということでしょう」

デイリー新潮編集部

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