望月衣塑子記者が法相会見で「特定の学生団体に肩入れ質問」 他紙の記者は「彼女はもはや活動家」 東京新聞の見解は?

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特定の学生団体の「宣伝」を始めた

 だが、望月氏の追及はこれで終わらなかった。二の矢を放とうとする望月氏に広報室長が「質問は次が最後でお願いします」と牽制すると、

「毎回、2回制限以上、2回目の質問を許可されなくなっているので、どういう事情があるのかわからないんですけど、もう少ししっかり追及させていただければなと思います」

 と身構えた。そして、「大臣には大学生のお子様がいらっしゃると聞いています」と呼びかけてから、特定の学生団体を宣伝するかのような質問を始めた。

「先日、大学生を中心とした入管の仮放免者等々若しくは入管収容者と向き合っている個人、NPO団体BOND(バンド)というところの学生さんたちが記者会見をしました。(中略)今、多くの外国人と若い学生さんが色々な生活の場で向き合うようになって、私の時代では考えられませんでしたけれども、今日から再び国会前で6時以降ですけれども、シットインデモというものを始めるということです……」

 これまた長いので後半は要約するが、望月氏はBONDという学生団体の紹介を交えながら、「学生さんたちと向き合う、お話を聞くというつもりがあるのか」と大臣に迫ったのである。

すかさず署名入りで記事を配信

 彼女はこの日、この団体がシットインデモをする様子を自撮りしながらTikTokにアップしている(写真参照)。〈「更なる人権侵害になる改悪法案は廃案に!(怒った絵文字)〉という文言が赤い枠で強調された動画だ。これを見る限り、望月氏がこの団体の活動に思い入れているのがよく分かる。

 つまり、彼女は自分が肩入れしている学生団体の活動を宣伝するばかりか、その団体と対話するよう大臣に迫ったのである。大臣はこう返した。

「まず、学生の皆さんがこの問題について多く関心を持っていただいているということについては、自分も学生の子供がいますから、これは大変いいことだろうと思っています。ただ、繰り返しますけれども、今はまだ検討の途上でありますので、その一つ一つの内容について、私がこの瞬間にお話しすることはできませんので、お目にかかっても、実りあるディスカッションはできないのではないかなというふうには思いますけれども、ちょっと考えてみたいと思います」

 当たり障りない言い方で望月氏からの「提案」をかわした、と取るべきところだろう。だが、彼女はこの後、大臣が対話に前向きな姿勢を示したと受け取れかねない記事を署名入りで書いている。上記した大臣の回答と読み比べてほしい。

《大学生らとの対話に法相「ちょっと考えてみたい」と含み 入管難民法改正案反対を訴えるグループ 「自分も学生の子供がいる」

「ちょっと考えてみたいと思う」。斎藤健法相は3日の閣議後の記者会見で、今国会に提出が見込まれる入管難民法改正案に反対する大学生らが対話を求めていることについて問われ、実現に含みを持たせた。

 法相と直接話したいと意思表示しているのは、仮放免者や入管収容者の支援に携わる大学生中心のグループ「BOND(バンド)」のメンバーら。斎藤法相は「学生の皆さんがこの問題について大きく関心を持っていることは、自分も学生の子供がいるので、これは大変いいことだろうと思う」と心情を明かした。

 ただ「いまはまだ(法案は)検討の途上なので、内容についてお話しすることはできない。お目にかかっても実りある議論はできないのではないかと思う」とやんわりけん制。その上で「ちょっと考えてみたい」と、時期は未定ながら検討する姿勢を見せた》(東京新聞電子版:2月3日13時55分配信)

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