三笘薫、旗手怜央、伊東純也、上田綺世…欧州では”異色”な彼らの経歴が日本人選手の価値を高める理由

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 ヨーロッパのサッカーシーンにおいて、日本人選手の市場価値に異変が起きている。きっかけは、カタールW杯のスペイン戦で「三笘の1ミリ」が注目を集めたMF三笘薫(ブライトン)である。

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 1月29日に行われたイングランド協会(FA)カップ4回戦で、ブライトンは前回王者のリバプールと対戦。三笘は後半アディショナルタイムに鮮やかなキックフェイントから決勝点を決め、2-1の逆転勝利に貢献した。

 さらに、2月4日のプレミアリーグ第22節のボーンマス戦でも、後半42分に左クロスをヘッドでニアに沈めて決勝点を奪い、1-0の勝利の立役者となった。

 これで三笘は1月21日のレスター戦(2-2)に続き公式戦3試合連続ゴール。チームも年明けから無敗で順位を伸ばし、クラブ史上初となるUEFAヨーロッパリーグ(EL)の出場権が獲得できる5位のトッテナム・ホットスパーに勝点5差の6位と肉薄している(消化試合は2試合少ない)。さらに、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)の出場権を獲得できる4位のニューカッスルにも勝点6差という状況だ。

 こうした好調に加え、すでにベスト16に進出しているFAカップを制してもELの出場権を獲得できるだけに、ロベルト・デ・ゼルビ監督が「私たちは現実的な夢を見ることができる」と胸を張るのも頷ける。

海外組の大躍進

 好調を持続しているのは三笘だけではない。2月1日、スコットランドリーグのセルティックはリヴィングストン戦で、MF旗手怜央のアシストから先制すると、FW前田大然の追加点とFW古橋亨梧のダメ押しゴールで3-0と快勝した。

 同じく2月1日、リーグ・アンのスタッド・ランスに所属するFW伊東純也は、第21節のロリアン戦の後半16分に得意の右サイドからのクロスで逆転ゴールとなる3点目をアシスト(試合は4-2でスタッド・ランスの勝利)。チームもリーグ戦13試合無敗と好調をキープし、伊東はその原動力となっている。

 ポルトガルに目を向けると、スポルティングCPのMF守田英正が2月1日の第18節、ブラガ戦で前後半の立ち上がりに2ゴールの大活躍。今シーズン5ゴール目とし、5-0の勝利に貢献した。

 ベルギーリーグではセルクル・ブルージュのFW上田綺世が1月29日の第23節、首位のゲンク戦で左クロスをヘディングシュートで決めて3-2の勝利をもたらすと、2月4日の第24節、スタンダール・リエージュ戦では後半アディショナルタイム6分に劇的な同点弾を叩き込んだ。

 左サイドからのロングスローをペナルティーエリア内で胸トラップした上田は、すかさず左に反転しながら右足の強シュートをゴール左上に突き刺した。上田はこれで3試合連続ゴールとし、海外初挑戦でチームトップとなる10ゴールをマークする堂々の活躍だ。

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