2万円ボトルをガンガン入れて「お持ち帰りしたい」…公判スタート「ルフィ強盗団」幹部・小島智信被告の“マニラの夜” 「一緒になろう」と口説かれたフィリピン人ホステスが告白

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IT企業の社長と名乗っていた

 こっちでは「バック」は警察を指すという。特殊詐欺で35億円も荒稼ぎしていた詐欺グループの幹部を務め、小島は怖いもの知らずだったようだ。だが、所詮は新参者だ。

「『調子こいてんじゃねぇぞ』と怒鳴り返して、最後は力づくで取り押さえて土下座させました。それっきり来なくなりました。奴等はそうやって店を渡り歩いていくんです」(同)

 こんな悪評ばかり聞こえてくる小島だが、「あんなジェントルマンはいなかった」と擁護するフィリピン人ホステスがいる。彼女こそが、小島が幾多のカラオケ嬢を渡り歩いた末に行き着いた女性だ。滝沢カレン似の美女である。

「服装は黒いシャツに短パン姿が多かったかな。コンピューター関連のIT企業の社長と名乗っていました。ハンドバッグにはいつも分厚い1000ペソ札が3、400枚くらい入っていたんで、信じていました」

「マンションを買っていいよ」

 小島は夜な夜な彼女と同伴。鰻などの高級料理をご馳走したり、プレゼント攻勢を繰り返していた。

「2019年に当時の最上位モデルiphonX・MAXのゴールド(編集部注・64GBモデルで価格は12万4800円)も正規店で買ってもらった。高価なネックレスも」

 そして、「一緒になろう」と口説かれたというのである。

「『フィリピンのどこでもいいからマンションを買っていいよ』って。優しいし、顔もかわいいし、何よりもジェントルマンだったから私も好きだった」(同)

 小島はお触り一つしなかったという。前述のように、下品な飲み方をすることで有名だった小島だが、彼女には“ガチ”だったのだ。ただ、彼女には当時、付き合っていた彼氏がいた。だから、迷いながらものらりくらり交わしていたのだが、2019年11月、小島は彼女の前から忽然と姿を消す。

「いまはセブにいる」

 小島らが特殊詐欺をしていた拠点がフィリピン当局に急襲され、逃亡したのである。

「しばらくしたら、『いまセブにいる』って連絡が来ました。それから、半年くらいして本当は詐欺犯だったと聞いた時はショックで崩れそうになりました」(同)

 ***

 小島は2023年2月に強制送還。2年後の7月1日に開かれた初公判で、起訴内容を認めた一方で、「渡辺らから依頼されて人を紹介しただけで、強盗計画の詳細は知らされていなかった」とも訴えているという。判決は7月23日に下されるが、厳しい刑が予想される。彼がマニラの夜に溺れる日は、二度と訪れないだろう。

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