大谷でも解消できない「最強侍ジャパン」の致命的欠陥 「ダルビッシュ依存」の栗山采配に危惧の声

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最適解に「NPBナンバーワン投手」

 しかし、ダルビッシュへの過度な期待は禁物だ。

「どれだけ力がある投手であっても、抑えは、それまでに投げる投手とは別次元のプレッシャーがかかる。しかも日の丸のユニホームで勝敗の責任を一身に背負う。ダルビッシュでさえ09年の決勝は九回のリードを守れなかった。その後に日本が勝ち越し、優勝したから目立たなかったが、先発だったダルビッシュの抑えへの配置転換の成否は紙一重だった。過度にダルビッシュに頼るのは危険だし、酷だと思う。やはり専門職の投手で抑えを確立するのが一番なのだが……」(前出の元日本代表コーチ)

 それでも、ダルビッシュ、大谷、佐々木朗希(ロッテ)を含めた世界に誇る4人の先発陣の中からクローザーを抜てきするしかない状況に追い込まれた際、最適解は何なのか。

 前出の元コーチはNPBナンバーワン投手、山本由伸(オリックス)の抑え起用を提案する。

「山本はオリックスで先発に定着する前にリリーフをこなしていた(18年には54試合に登板し、32ホールド1セーブも記録)。三振を取れる能力の高さはダルビッシュ、大谷に勝るとも劣らずで、何より最もリリーフの経験がある。キャンプ初日にブルペンでの投球練習でクイック投法に終始したのも、抑えへの備えかとも思ったほど。WBCでは準決勝、決勝での先発の有力候補だろうが、ダルビッシュとともに検討に値する案だと思っている」

 6年ぶり開催のWBCで優勝しか考えていないという栗山監督。最後の瞬間になるかもしれないマウンドを誰に託すのか。09年以来の覇権奪回へ、最後まで頭を悩ますことになりそうだ。

デイリー新潮編集部

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