次の朝ドラ「らんまん」に出演する島崎和歌子 意外と知られていない女優歴33年の評価
2023年に飛躍しそうな芸能人を各メディアが挙げている。ここで推したいのはデビューから34年目のベテラン・島崎和歌子（49）である。4月から始まるNHK連続テレビ小説の次回作「らんまん」に主要登場人物の1人として出演するからだ。バラエティ番組での活躍が大半であるため、「演技は大丈夫？」との声が上がりそうだが、実はうまい人なのである。
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島崎和歌子が次期朝ドラに
島崎の人気を否定する人はいないはず。バラエティ番組で大活躍中だ。地上波でのレギュラーは「ホンマでっか!?TV」（フジテレビ）と「人生最高レストラン」（TBS）の2本。ほかにもゲストとして引っ張りダコで、1月は計11番組に出演する。
その魅力は機知に富んだトークや気さくなキャラだが、容姿に惹かれる人も多い。28歳だった2001年に出した水着写真集「島崎和歌子写真集 wakako」の定価は当時3300円だったものの、今ではプレミアが付き、程度の良い古書は1万5000円以上で売買されている。お宝扱いだ。
どうやら中高年男性の支持が特に厚いらしく、小泉純一郎元首相（81）も以前から島崎に首ったけ。それを昨年9月28日放送のバラエティ番組「小泉孝太郎＆ムロツヨシ 自由気ままに2人旅」（フジテレビ）で明かした。4月に「らんまん」が始まったら、さらにファン層が拡大しそうだ。
「らんまん」の主人公は天才植物学者・槙野万太郎（神木隆之介［29］）。独学で植物学を学び、文化勲章を得た牧野富太郎博士をモデルとする人物だ。
万太郎は明治維新の6年前だった1862年に土佐（現高知県）で生まれる。20歳になるころには植物を学びながら自由民権運動に関わるようになる。中江兆民や板垣退助らを輩出した高知は運動が盛んで、実在した牧野も運動に携わっている。
島崎が演じるのは運動を支援する「民権ばあさん」こと楠野喜江。やはり実在した楠瀬喜多がモデルだ。喜多は明治維新から10年後の1878年、女性の参政権の必要性を日本で初めて訴えた人物。高知市内には喜多の功績を讃えた「婦人参政権発祥之地」の碑もある。
そんな歴史的人物が投影されていることもあって、島崎が演じる喜江は重い役柄。物語の前半は「高知編」と位置付けられているが、喜江はその主な登場人物10人のうちの1人に数えられている。
重責を任される島崎はNHKを通じ、こうコメントした。
「ふるさと高知の登場人物を演じられることを光栄に思います。高知の女性はとても強くて自立しているので地でいけそうです（笑）。
しっかり自分の意見を言える『民権ばあさん』楽しみにしています」（島崎）
そう、島崎は高知県南国市の生まれ。方言指導を受ける必要がない。「はちきん」（男勝りの女性）と称される高知の女性のイメージにもピタリと合致する。ただし、それだけで起用されたわけではあるまい。島崎は女優歴33年を誇り、しかも評価が高いのだ。
歌手デビューより女優デビューが早い
島崎がアイドル歌手だったのは知られている通り。1987年、ロッテが主催したアイドルのオーディションで準グランプリに選ばれたことから、16歳だった1989年5月に「弱っちゃうんだ」でデビューした。
乙女の恋心を可憐に歌った王道アイドルソングだった。しかし、サッパリ売れず、オリコン週間最高位は48位という残念な結果に終わった。
以来、12曲をリリースしたものの、鳴かず飛ばず。島崎本人もバラエティ番組などで「ヒットはゼロ」と公言している。時代が悪かった。1985年の「おニャン子クラブ」のブレイクを機に、歌謡界はソロアイドルの氷河期に入っていたのだ。
一方、あまり知られていないが、島崎のデビューは女優のほうが早い。歌手デビュー4カ月前の1989年1月から連続ドラマ「こまらせないで！」（フジ）にレギュラー出演した。役柄は荻野目洋子（53）が演じた主人公の探偵に付きまとう面倒な女子高生。小悪魔的なキャラクターで、存在感をしっかりと示した。
それが評価されたのだろう。僅か半年後の同年7月からは伝説的子供向け特撮連ドラ「魔法少女ちゅうかないぱねま！」（フジ）に出た。なんと主演である。まだ16歳だった。
前作「魔法少女ちゅうかなぱいぱい！」の主演だった小沢なつき（50）が放送途中で突然引退してしまい、大慌てでつくられた代替作だったが、それでも大抜擢に変わりはなかった。
健康的で全身から明るさが漂っているところが子供向け作品に合っていた。見習い中華魔女役の島崎が魔物と戦うという大人にはよく分からない物語だったものの、子供にはウケた。
島崎の演技はやや硬く、まだ高知訛りが少し残っていたが、臆するところがなく、常に堂々としていた。デビューから間もないとは思えなかった。腹が据わっているのだろう。
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