錦織一清が明かす「ジャニーズ事務所を辞めたホントの理由」「ジャニーさんを送る会で感じたこと」

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ジャニーさんのいないジャニーズ

錦織:「退所したんだから、これからは好きなことできるじゃん」ってよく言われました。でも、好きなことができる喜びよりも、やりたくないことをやらなくてもいいようになったことに幸せを感じます。例えば、僕が嫌いな人とは会わなくてもいいわけです。組織に属していると難しいですからね。「あんたのこと嫌いかもしれないけど、上手くやってね」なんてよくあるじゃないですか。そろそろ還暦が待っている人間としては、もういいんじゃないかなと。嫌いな人とは会わなくてもいいかな、なんてね。

――今のジャニーズ事務所をどう見ているか?

錦織:僕にとっては、ジャニー喜多川という人が亡くなったことがすごく大きなことでした。ジャニーさんが亡くなった後、「僕が今やっている仕事のスタイルを、ジャニーズ事務所に所属しながら続けさせていただくことはできますか?」と問うたときに、返ってきた答えは微妙なものでした。それが退所のきっかけのひとつでもあります。

――NOだった?

錦織:はい。実はジャニーさんが亡くなる前、電話で2時間くらい話したことがありました。電話だったのは僕が愛媛の松山にいたためで、僕からの着信があったことに気づいたジャニーさんがかけてきてくれたんです。退所の話はしませんでしたが、今後の活動について相談すると、すごく僕の立場になって考えてくれました。しかし、ジャニーさんがいないジャニーズ事務所では、なかなか難しかったんですね。

――そしてジャニー喜多川氏の“家族葬”で、退所の思いを強くしたという。

その船に自分の部屋があるのか

錦織:東京ドームで行われた盛大なものとは別に、ジャニーさんを送る会という身内だけの会があったんです。ジャニーさんのご遺体があって、火葬場にも行きました。その集まりのときに見ていると、それぞれ反応は様々でした。僕がジャニーズ事務所に入ったとき、1977年当時はものすごく小さい会社でした。それから比べるとかなり大きくなった。昔とは比べようもない大きな船になり、僕らはその乗組員です。その船にまだ自分の部屋があるのかなと思ったときに、どうやらもうなさそうだなと。

――自分の居場所はなくなると?

錦織:自分の居場所はないように思えてしまった。だから、滝沢(秀明)の後継が井ノ原(快彦)になろうが、興味はありません。それよりも僕が気になっているのはショー、誰が舞台を作るのかということだけです。ジャニーさんが作ってきたショーのクオリティはものすごく高い。それは僕にも作れない。それを今後、誰が作っていくのか。

――滝沢秀明氏は“滝沢歌舞伎”などの演出を務め、錦織さんの後継者とも言えたのではないか。なぜ辞めたのか?

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