エ軍売却中止でWBC日本代表のV奪回に“暗雲”のワケ 「クローザー大谷」の栗山采配に“待った”?

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「二刀流」の去就にも影響は必至

 米大リーグ、エンゼルスが1月23日に球団売却交渉を中止すると発表した。身売りに向けた手続きに入ると発表した昨年8月からおよそ5ヵ月。180度方針転換となり、にわかに今オフにフリーエージェント(FA)になる大谷翔平(28)の周辺が騒がしくなった。エンゼルスはオーナーが代わらないとなれば、勝利に飢えているとされる「二刀流」の去就の判断への影響は必至の情勢だ。【木嶋昇(きじま・のぼる)/野球ジャーナリスト】

 エンゼルスはこのオフ、昨季ドジャースで15勝の左腕タイラー・アンダーソン投手、ブルワーズで29本塁打のハンター・レンフロー外野手、パドレスなどで28本塁打のブランドン・ドゥルーリー内野手を立て続けに獲得した。球団売却に動いているチームとは思えないほど積極的に強化へ手を打っていた。

「エンゼルスが(昨年10月に)大谷と契約を結んだ際は単年だったこともあり、売却前提だなとは思った。ただ、GMらフロントはストーブリーグでは本当に球団を売却するのかというぐらいの勢いで補強していた。今振り返ると、球団売却が成立しない事態にも備えていたように思える」(米大手マネジメント会社の代理人)

 売却交渉に何が起きたのか。在米スポーツ・ジャーナリストはエンゼルスのアート・モレノ・オーナーの“変心”を理由に挙げる。

「モレノはビジネスセンスに優れたオーナー。売却相手を探った結果、今が売り時ではないとの判断もあったのだろう。昨年、一度は頓挫したエンゼルスタジアムの再開発に何らかのめどが立っているのではないかとの見方もある。この5ヵ月でモレノが球団を売りたくない状況に変わった可能性は否定できない」

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