痩せている人ほど早死に? カロリー摂取量増加で健康増進 老けないための「多様食」とは

ドクター新潮 ライフ

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10の食品群

 一方で、こう疑問に思う人もいるでしょう。たくさん栄養を取れと言われても、コレステロールまでいっぱい取ったら体に悪いのではないか。やっぱり油は健康を害するのではないか。

 もちろん、コレステロールも油も取りすぎはよくありません。しかしそう言うと、ややもするとコレステロールや油を避けようとして粗食になりかねない。従って、こう考えてほしいのです。

 コレステロールにしても油にしても、「一栄養素」だけで健康を語ろうとすること自体が間違いなのだと。大事なのは「総合的な栄養状態」です。すなわち、多様食が重要となるのです。

 そこで活用してもらいたいのが、多様性スコア、DVSです。

 DVSが重視したのは「実用性」です。1日30品目は難しい、あるいは毎日そんなにカウントしていられないという人が多いとするならば、できるだけ簡素な指標が必要となります。そのためDVSでは、「食品」ではなく「食品群」を単位にしました。そして、それぞれの食品群を1日1回食べれば1点とし、毎日9点以上のスコアを目指すことを推奨したのです。その10の食品群とは次の通りです。

(1) 魚介類(さ)

(2) 油を使った料理(あ)

(3) 肉(に)

(4) 牛乳・乳製品(ぎ)

(5) 緑黄色野菜(や)

(6) 海藻類(か)

(7) いも(い)

(8) 卵(た)

(9) 大豆・大豆製品(だ)

(10) 果物(く)

 例えば、朝食でご飯に生卵(8)をかけ、納豆(9)と焼き鮭(1)をおかずとして食べて牛乳(4)を飲む。これだけで4点です。「さあにぎやか(に)いただく」というフレーズで覚えていただければ、10の食品群をバランスよく取る食事を実践しやすいと思います。

ゆるやかにスコア維持を心がける

 なお、DVSでは食べる量は問いません。どうしてか。食事は1食、1日で終わるものではありません。死ぬまで続く継続的な営みです。従って、長期的に見ると、量以上にどれだけ多様なメニューを食卓に並べられるか、まさに多様性が大事だからです。

 継続性の観点からは、「帳尻合わせ」の考え方も取り入れていただいていいと思います。もちろん、理想は「毎日9点以上」ではあります。しかし、それにとらわれるあまり面倒くさくなって採点をやめてしまっては元も子もありません。ですので、昨日は点数が低かったから今日はちょっとスコアを意識してといった具合に、3日単位くらいでゆるやかにスコア維持を心がけるのでも充分多様性は確保されると思います。

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