ドラフト4位入団の“小柄”な右腕「山本由伸」は、なぜ「日本のエース」になれたのか オリックスのスカウトが見抜いた“日の丸を背負える才能”
日本を代表するピッチャーに
ではなぜ、オリックスは指名できたのか。強く推し続けた山口が説明する。
「骨格です。177cm(高校当時)はプロのピッチャーの中では平均より少し低いくらいの身長だと思うけれど、骨格がしっかりしていたので、身長に関してはあまり気にしていなかったです」
骨格は言わば、身体の支柱だ。骨の周りに筋肉は発達していく。身体の中にしっかりした土台があれば、バランスよく成長していけるはずだと山口は見通した。
「最終的には球団の看板を背負える選手になるのはもちろん、日の丸を背負って日本を代表するピッチャーになってもらいたい」
山口は最初の指名挨拶に訪れた際、最大の表現で期待を表した。オリックスのユニフォームに袖を通した山本は入団1年目に一軍デビューを飾り、球団の育成計画をはるかに上回るスピードで応えていく。
もともと備えた「メイクアップ」と「骨格」という才能が飛躍の土台になった一方、球団にとって思いもよらない出会いが山本を大きく変えることになった。(敬称略)