育成契約から這い上がれ! 今年期待される“育成選手”6人の実名【2023年セ・リーグ編】

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ストレートは、今年のルーキーでも1、2を争う存在

 新井貴浩監督が就任し、若手の底上げに注力したい広島で、楽しみな選手が、育成ドラフト1位の名原典彦だ。地元・瀬戸内高時代は、それほど目立つ選手ではなかったが、青森大で攻守にレベルアップし、プロ入りを果たした。持ち味は抜群の脚力と積極的なバッティングだ。

 4年秋のシーズンは10試合で13安打、5盗塁をマークして、チームの優勝に大きく貢献。3年秋のプレーオフ、4年春のリーグ戦では、北東北大学野球で絶対的な存在だった金村尚真(富士大→日本ハム2位)からホームランを放っている。広島は、チームカラーだった走る野球がここ数年見られていないことから、名原の機動力に対する期待は大きい。

 最下位からの巻き返しを図る中日は、広島と同じく育成ドラフト1位ルーキーの松山晋也を挙げたい。八戸学院野辺地西高時代は全く無名で、八戸学院大でもなかなか力を発揮することができなかった。4年秋にようやくブレイクして、プロ入りを勝ち取った。

 最大の持ち味は190cm近い長身から投げ下ろすストレート。長いイニングでも平均150キロ前後のスピードがあり、高い位置から縦に腕が振れるためボールの角度も素晴らしい。ストレートは、今年のルーキーでも1、2を争う存在であることは間違いないだろう。課題である変化球のコントロールと走者を背負ってからのクイックが改善されれば、ブルペン陣の一角に入ってくる可能性も十分にありそうだ。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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