浅草・伝法院通り「立ち退き裁判」に無罪請負人・弘中弁護士が参戦 本人が語った勝算は?

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 晴れ晴れとした表情の初詣客で賑わう東京・浅草に、どこか浮かない顔をした人々がいる。台東区による「立ち退き訴訟」で被告となった商店主たちだ。彼らに救いの手を差し伸べようと、あの大物弁護士が動き出した。

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 下町随一の観光地・浅草寺に隣接する「伝法院通り」は、土産物屋などが30軒ほど立ち並び、雷門から続く仲見世と共に参拝客が絶えず行きかう。

 1970年代から営業を続ける商店街が、台東区から公道の「不法占拠」にあたるとして突如立ち退きを命じられた一件は、本誌(「週刊新潮」)が取り上げたことで広く知られるところとなった。昨年1月、区は商店主たちを相手に立ち退きと占用料の支払いを求める訴訟を東京地裁に起こしたが、訴えが認められれば生活の糧を奪われると、彼らは危機感を募らせていた。

立ち上がった「無罪請負人」

 そこで彼らの助太刀に名乗りを上げたのが、「無罪請負人」の異名を持つ弘中惇一郎弁護士(77)だ。三浦和義のロス疑惑をはじめ、小沢一郎の陸山会事件、村木厚子・元厚労次官の郵便不正事件で被告人を無罪に導いた敏腕弁護士で、近年はカルロス・ゴーン被告の代理人を務めた政財界の守護神である。

 世間を賑わす大事件で名前の挙がる弁護士が、なぜ下町の騒動にまで頭を突っ込むのか。そのキーパーソンは、浅草に「2階建てバス」や「サンバカーニバル」を根付かせた名物女将(おかみ)だった。

 地元の老舗蕎麦屋「十和田」を営む御年85の冨永照子さんが明かすには、

「知人の紹介を機に以前から弘中先生はウチの店に飲みに来てくれていたんだけど、親しい小沢さんとか困っている人たちの味方だから、私も大好きな先生でね。伝法院通りの人々が大変だと聞き紹介したんです。やっぱり、あの通りは浅草の名物で残した方がいいから」

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