「どうする家康」好スタート これまでとは違う…同業者が感じた“4つの驚き”

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 NHK大河ドラマ第62作「どうする家康」がスタートした。1月8日の初回は、主役の松平元康(のちの徳川家康)に子役は用いず、松本潤が登場。いきなり見せ場の桶狭間の戦いとなり、「もう嫌じゃあああ!」と絶叫する史上もっとも情けない家康を演じた。はたして、業界のプロはどう見たか。

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 初回視聴率は15・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)だった。これは昨年の「鎌倉殿の13人」の17・3%を下回り、1989年の「春日局」の14・3%に次ぐ、2018年の「西郷どん」と並ぶワースト2位だ。民放プロデューサーは言う。

「今年の三が日はHUT(総世帯視聴率)もPUT(総個人視聴率)も史上最低を記録し、テレビ離れが顕著となっています。だから、過去の数字とは比べようもない。なかでも大河は、地上波のみならずBSやBS4K、さらにNHKプラスで配信もされている中で、世帯15・4%、個人9・6%は立派な数字。好発進と言っていいと思います」

 まず度肝を抜いたのはオープニングだった。

「カラフルでスタイリッシュなタイトルバックでしたね。従来の大河のような、物々しい音楽、炎や戦闘シーン、縦書き毛筆で記される出演者とスタッフのクレジットからガラリと変わりました。二次元で煌びやかな壁紙に、横書きの明朝体で、名前がひっそりと出る。音楽は従来通りNHK交響楽団ですが、控えめな木管とストリングスが主体で明るく軽やか。手拍子まで入って、大河というより朝ドラに使われてもおかしくないほどでした。タイトルロゴが円形で平面的なデザインというのも、これまでにはないパターンです」

 中身の映像も従来とは異なる。

オープンセットなし

「大河といえば莫大な制作費をかけた巨大なオープンセットが名物ですが、今回はそれがないそうです。代わりにバーチャルCGを駆使している。桶狭間の戦いなどの戦闘シーンもほとんどロケはなく、NHKのスタジオ内のセットとCG。馬で駆けるシーンもバーチャルで、馬自体もCGだから、大ヒット映画『キングダム』っぽくも見えました。なんだかゲーム映像のようで、若い世代にはむしろ違和感がないでしょう」

 馬術や武術に一家言ある岡田准一(織田信長)は、本物の馬に乗ることができず少々不満かもしれない。

「初回では最後に出てきた信長ですが、相当アクの強い役のようですから話題になるでしょう。今のところ物語の中心は、松潤と正室・瀬名(築山殿)の有村架純。民放なら2人だけで十分なところですが、周りにはこれでもかというほど数字の取れる主役級の役者を集めています。第1話で死んでしまうものの舞を踊る見せ場もあった野村萬斎(今川義元)はじめ、岡田准一、イッセー尾形、大森南朋、小手伸也、溝端淳平、山田裕貴、渡部篤郎、真矢ミキ、阿部寛……。中でも家康古参の家臣・石川数正を演じる松重豊が、ひときわ目を引いています」

 朝ドラ「カムカムエヴリバディ」で松重が演じた、ベテランの大部屋時代劇俳優・伴虚無蔵も、いい役がついたなあなんて思った人もいるかもしれない。

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