今年も混迷続くゴルフ界…「PGAツアー」VS「リブゴルフ」それぞれに残る大きな問題

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PGAツアーの不可解な基準

 PGAツアーとリブゴルフとの確執が起こって以来、ゴルフ界には「納得いかない」「解せない」ことが増えつつある。訴訟対策といった事情もあるのだろうが、不可解な事象が増えすぎることはファン離れを招きかねない。

 会見で「リブゴルフに移籍した選手を再びPGAツアーに受け入れる考えや可能性は、やはり無いのか?」と問われたモナハン会長の返答は、迷わず「ノー(無い)」だった。

 だが、昨年のこの時期にも大騒動になった、サウジ・インターナショナルというアジアツアーの大会へのPGAツアー選手からの出場申請を、モナハン会長が「昨年定めた条件通り承認した」ことは、年明けの米ゴルフ界でビッグニュースになった。

「昨年定められた条件」とは、「PGAツアーの大会をスキップして他ツアーの大会に出場した場合は、スキップしたPGAツアーの大会に2~3年以内に必ず出場すべし」というもので、モナハン会長は「サウジ・インターナショナルに出場した選手は、同週開催のAT&Tペブルビーチ・プロアマに数年以内に必ず出場することが確約される」と見ている様子だ。

 しかし、そうであっても、そうではなくても、米メディアや周囲が首を傾げている問題の本質は、実を言えばそこではない。

 アジアツアーは実質的にはリブゴルフ傘下にあり、リブゴルフの背後にはサウジアラビアの政府系ファンドが付いている。そんな同一ライン上にあるというのに、なぜPGAツアーはアジアツアーの大会への出場申請は認めながら、リブゴルフに出場した選手には資格停止処分を科すのかという疑問が湧き出している。

 その答えは、PGAツアーの「気持ち的に」という部分もあるとは思うのだが、サウジ政府とのつながりがあるものをすべて否定するわけではないというPGAツアーの姿勢を示すためと見るのが妥当と感じている。

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