埼玉・狭山の銃撃事件の語られざる深層 なぜ妻子の前で射殺されなければならなかったのか

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歓声なのか悲鳴なのか?

 埼玉県狭山市のマンションで1月6日夜、55歳の男性が銃撃された。その後、この男性は搬送先の病院で死亡が確認されている。銃を使った事件は暴力団絡みというのが通り相場だが、今回も男性は指定暴力団の幹部で、妻子の前で射殺されることになった。その報じられない中身について、元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現在は、暴力団組員の更生を支援するNPO法人「五仁會」を主宰)に解説してもらった。

「事件発生は6日の19時過ぎで、男性の奥さんから夫が拳銃で撃たれた旨の119番通報がありました。一方で、近所の住民からも“キャーっという歓声なのか悲鳴なのかよくわからないが、とんでもない声が聞こえた。発砲する音がした”などといった110番通報もありました。現場は男性の自宅マンション内の駐車場で、本人と奥さん、子供2人が外出先からクルマで戻り、降車したところを至近距離で銃撃しました」

 と、社会部デスク。犯人はスクーターで待ち伏せしており、家族の目の前での犯行だった。

7発発砲し、そのうち4発が胸部に

「犯人は7発発砲し、そのうち4発が男性の胸部に残っており、搬送先の病院のICUでも当初からそう長くは持たないだろうとされていたところ、翌日未明に死亡が確認されました。男性は鈴木頼一(よりかず)さん。絆會若頭補佐で傘下の2次団体・2代目川田組の組長を務めていたということです」(同)

 この鈴木組長について、竹垣氏によれば、

「鈴木組長は元々、神戸山口組傘下の健國会の若頭補佐をやっていましたが、2017年に神戸から絆會が抜ける際に絆會の方について行ったと聞きました。去年12月の絆會納会に出席しておらず、絆會から脱退していたと噂されましたが、実際には籍は残っていたようです。組織に対して、脱退届や進退伺のような書面は提出していないとのことでしたから。遺体が安置された病院にも執行部の面々が来院していたようなので、籍があったと見て間違いないと思います」

 言うまでもなく、絆會は6代目山口組を脱退した組員らが構成する組織だ。その傘下組織の組長であれば狙われる危険は常につきまとっている。さらに待ち伏せまでして7発も発砲していることから相当な殺意があったと推察される。

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