「鬼滅の刃」「進撃の巨人」「呪術廻戦」新シーズン放送開始! 2023年「日本アニメ」は“第2の黄金期”を迎える

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制作現場でも進むグローバル化

 視聴環境だけでなく、制作現場でもグローバル化は進んでいる。今年以降、企画段階から他国と協業する形でのアニメーション制作の動きが加速しているのだ。

 実際、すでに日本アニメの人気に目をつけた海外の企業が、日本のアニメ制作会社やクリエイターらにコンタクトを取り、協業へと発展するケースが増えている。企画の多くはまだ水面下で進行している段階だが、「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の神山健治監督がオリジナル長編アニメ「ロード・オブ・ザ・リング ロヒアリムの戦い」(ワーナー・ブラザーズ)の監督に抜擢されるような“サプライズ”はこれからも起こり得るだろう。

 今後、日本アニメは「SUSHI(寿司)」や「JUDO(柔道)」が“世界化”したのと似た過程を辿るのではないか。今年は世界を席巻した「鬼滅の刃」「進撃の巨人」「呪術廻戦」など人気アニメの新シーズンが放映される。世界的なアニメの大衆化がさらに進み、日本アニメが新たなステージへと到達する環境は整ったように見える。

 ただし「ANIME」を生み出すのは、日本のクリエイターだけとは限らない。早晩、世界の誰もが「ANIME」を作る時代が訪れ、競争も激しさを増すかもしれない。それでも歴史に裏打ちされた“アニメーション(作画)”というお家芸の優位性はそうそう揺らぐものでなく、日本は今後も世界のなかで重要なポジションを占めていくと考える。

数土直志(すど・ただし)
ジャーナリスト。メキシコ生まれ、横浜育ち。アニメーションを中心に国内外のエンターテインメント産業に関する取材・報道・執筆を行う。大手証券会社を経て、2002年にアニメーションの最新情報を届けるウェブサイト「アニメ!アニメ!」を設立。また2009年にはアニメーションビジネス情報の「アニメ!アニメ!ビズ」を立ち上げ、編集長を務める。2012年、運営サイトを(株)イードに譲渡。2016年7月に「アニメ!アニメ!」を離れ、独立。

デイリー新潮編集部

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