有力選手が不利に… 卓球の「代表選考基準」変更に石川佳純、水谷隼も反発

スポーツ

  • ブックマーク

Advertisement

精神衛生上も

 なるほど新選考基準は問題だらけのようだが、当の日本卓球協会の宮崎義仁専務理事に質すと、

「12月17日の理事会では全理事・幹事にご意見を伺いましたが、Tリーグのポイント付与を見直した方がいいとの意見を述べられたのはごくわずかです。弁護士の先生からは『石川選手が雑誌で訴えているようですが、それをうのみにして(新)選考基準を変えることの方が危険だ』という意見もいただいています」

 などと正当性を主張する。しかし、卓球コラムニストの伊藤条太氏は、

「Tリーグの戦績を選考に加味した結果、同じチーム内の選手がライバル同士になり、場合によってはチームメートに負けてほしいと思うようになる。それは酷だし、精神衛生上よくありません」

 そう指摘しながら、

「これとは別に、同じチームの選手同士は対戦しないという不公平さも選考上の問題です」(同)

伊藤は「負担が自分にかかりすぎている」と心情を吐露

 現在「木下アビエル神奈川」には平野美宇(22)や石川ら国内トップ8のうち4選手が在籍している。一方で、「日本生命レッドエルフ」でトップ8に入るのは伊藤美誠(22)と早田ひな(22)のみ。

「これでは伊藤や早田は、ライバルの木下アビエルに強い選手が4人もいるために戦績を稼ぎにくくなってしまいます」(同)

 有力選手が選考で不利な扱いを受け、潰されかねないというのだ。さらに、次のような懸念もある。

「伊藤ら主力組は五輪でシード権を獲得すべく国際大会に出場しなければなりません。加えて、国内大会も戦わねばならず、疲労がたまるばかりです」(前出・デスク)

 実際に伊藤は先月の試合後、涙ながらに、

〈正直負担が自分にかかりすぎている〉

 との心情を吐露している。選考基準の改悪で“一等賞”が遠ざかりそうな気配なのだ。

週刊新潮 2022年12月29日号掲載

ワイド特集「クリスマスキャロルが流れる頃」より

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。