モドリッチ37歳、メッシ35歳…“高齢”でも超一流のプレーを続けられるのはなぜか

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コロナの後遺症

 その成果が端的に表われたのが準決勝のクロアチア戦。メッシは屈強なCBヨシュコ・グバルディオルのアタックを受けながら最後は完璧に抜き去り、アルバレスの3点目をアシストした。

 リオネル・スカローニ監督が守備の負担を軽減したことで、メッシも7ゴール3アシストという結果で応えた。

 ところが決勝では、味方が疲弊するとみるや前線から守備に加わり、DFテオ・エルナンデスと空中戦で競り合う闘争心も見せた。パリSGはもちろんバルセロナでも見せたことのないようなプレーだった。

 35歳にもかかわらず、120分間をフルに戦い抜いたことに驚かされた。さらにPK戦ではファーストキッカーとして落ち着いて相手GKの逆を取り、アルゼンチンに流れを引き寄せた。

 そんなメッシの原動力はやはり、彼にとって唯一欠けていたタイトルであるW杯に賭ける思いだろう。

 メッシに天賦の才能があることは改めて言うまでもない。そして才能だけでなく、たゆまぬ努力も続けてきた。昨シーズンはパリSGに新天地を求めたものの、ケガやコロナの後遺症の影響で思うような活躍ができなかった。

778試合出場672ゴール

 しかし2004年に17歳でバルセロナのトップチームに昇格して以来、17シーズンにわたりヨーロッパの「トップ・オブ・トップ」のクラブとリーグで常に主役を演じてきた。

 1シーズンも休むことなくバルセロナで積み上げた数字は、778試合出場672ゴールとまさに金字塔だ。

 こうした積み重ねの数々がメッシを特別な存在である「神の子」にしたのか、それとも生まれついての「神の子」だったのか。それは「神のみぞ知る」ことかもしれない。

 メッシは準優勝に終わった14年ブラジルW杯でもMVPに輝いた。カタールW杯と併せ2度の受賞もW杯史上初の快挙である。

 MVPは記者投票によって決まるが、投票は決勝戦の前に行われるため試合内容や結果が反映されることはない。つまり試合前にMVPは決まっているというわけだ。

 それでもカタールW杯のMVPと得点王は、メッシかエムバペが最有力候補だったことに疑問の余地はない。そして2人とも、候補にふさわしい十二分な活躍を見せた。

 もしも2人以外にMVPの候補を選ぶとしたら、37歳ながら獅子奮迅の活躍でクロアチアを3位に導いたルカ・モドリッチになるのではないだろうか。

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