女優からセクハラ提訴された劇作家・谷賢一氏とは何者か 演劇評論家に聞いた業界での評判

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他の劇団員も告発

 南果歩やNEWSの増田貴久、森山未來、永作博美、柄本明、寺脇康文、佐々木蔵之介、高畑充希、門脇麦、平田満……多くの芸能人が、谷が手がけた戯曲や翻訳、演出などで舞台に立っている。

「自分たちの劇団の主宰者は、実力が認められた有名人なわけです。体もデカいし、劇団員たちは逆らえなかったのかもしれません。被害女性が実名で声を上げたことで、他の劇団員もセクハラやパワハラが今に始まったものではないことを新たに告発し、劇団を去ることを宣言した俳優も出ています」

 開催されるはずだった舞台には、南果歩も出演する予定だった。彼女はブログにこう綴っている。

《皆さまにお知らせです。/12月16日に初日を迎えるはずだった/『家を壊す』/公演中止となりました。/演出家 谷賢一さんへの、ハラスメント行為の提訴を受けての判断です。/公演中止は残念でなりませんが、しかし、勇気を持って実名で告発した方の心情を思うと、/本当にいたたまれません。/人間の尊厳は決して侵されてはなりません。/どんな状況下においても。》

 劇団員からの複数の告発、さらに、何度も谷氏の舞台に出演している南も突き放した。谷氏の旗色はずいぶん悪そうだが、「法廷で全面的に争う」姿勢を崩してはいないという。

 以前、彼と対談したことのあるベテラン演劇評論家は言う。

「対談したときの印象は、真面目で見識が広く、沖縄問題や3・11東日本大震災に対しても積極的に自分の考えを述べていました。演出も素晴らしいし、個人的にも認めていた劇作家でした。それだけに本当に驚いています。かつては、芸に携わる者に清廉潔白を求めても仕方ないと言われたものです。しかし、いまはそういう時代じゃないですからね。ましてや今回の告発では、被害女性が性行為を強要されたと言っているので論外ですね。調子に乗っていたのでしょうか……。ただ、谷賢一という人の、演出家、作家としての実力は揺るぎないものだと思っています」

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