また判明したロシア軍のグダグダ ロシア本土攻撃に使われたウクライナ軍“特製ドローン”の正体

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バイラクタルTB2

 ロシア・ウクライナ戦争では、緒戦からウクライナ軍がドローンを有効活用したことも注目を集めていた。軍事ジャーナリストが言う。

「特に話題になったのが、トルコ製の『バイラクタルTB2』です。ウクライナは2019年に12機を購入し、少なくとも20〜30機がこの戦争に投入されていると見られています。ロシア軍の戦車や装甲車などを攻撃し、ウクライナ側は数百両を破壊したと発表しました。この大戦果にウクライナ軍は『バイラクタル』という歌を作り、国民の多くが愛唱したのです」

 このバイラクタルTB2がロシアの飛行場を攻撃したのではないか、と分析する関係者もいたようだ。

 だが、バイラクタルTB2は27時間の連続飛行が可能ではあるが、基本的に今回のような自爆攻撃には使用しないという。

 時事通信は7日、「ソ連製ドローン転用か ウクライナ軍、ロシア防空網突破」の記事を配信。飛行場を攻撃したドローンは、ソ連時代に開発された無人偵察機「Tu-141」をウクライナが改造したものだというのだ。

Tu-141とは?

「Tu-141はソ連時代の1974年、初飛行に成功しました。はっきり言えば“骨董品”の兵器です。全長14メートルほどでセスナ機の全長より長く、航続距離は1000キロ。バイラクタルTB2の最高速度は時速220キロくらいですが、Tu-141は最高時速1100キロで飛びます。ちなみにマッハ1が時速1200キロですから、戦闘機並みのスピードで飛ぶわけです」(同・軍事ジャーナリスト)

 Tu-141は偵察用の無人機として開発された。ソ連時代はフィルムカメラや赤外線画像装置を機内に搭載。敵軍の奥、数百キロ先の状況を把握するのが主な任務だったようだ。

「ウクライナとTu-141は浅からぬ縁があります。そもそもソ連時代、Tu-141を製造していたのはウクライナ国内の軍事工場でした。そのため2014年からロシアとウクライナの間で始まったドンバス戦争でも、ウクライナ軍はTu-141を使ってロシア軍を偵察していました」(同・軍事ジャーナリスト)

 このTu-141をウクライナの国営軍事産業が、いわゆる“カミカゼドローン”に改造したと見られている。

「第二次世界大戦中、ドイツ軍はV1ミサイルを開発し、イギリスを攻撃しました。Tu-141も同じ発想で改造されたと見ていいでしょう。攻撃対象となった飛行場のうち少なくとも2箇所に、戦略爆撃機ツポレフ95が配備されています。巡航ミサイルを空中で発射し、ウクライナのエネルギー網を攻撃した爆撃機です。ウクライナの目的が報復だったことは、この点からも明らかです」(同・ジャーナリスト)

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