平良海馬「先発転向」で朝令暮改のナゼ 西武がナーバスになる“トラウマ”

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チームの犠牲になってきた平良の希望

 平良は沖縄・八重山商工高校から18年にドラフト4位と下位で入団した。19年に1軍デビューすると、同年はリリーフで26試合に登板。20年から今季まで54、62、61試合に登板している。その3年間の防御率は1.87、0.90、1.56と、特に昨季までは弱体だった投手陣の中で孤軍奮闘に近い活躍を見せてきた。

 走者がいなくてもクイックモーションで投げる独特のフォームから160キロに到達する球威は、本場MLBでも十分に通用すると評価されている。絶対的な変化球を一つ持てば通用するリリーフで、複数の変化球を磨いてきたのも先発への思い入れからだった。

昨夏は東京五輪での金メダル獲得に貢献した。若くして国際舞台に立ち、MLBで高いレベルと巨額の契約を求める思いを抱くのは当然だ。

 昨季はチーム防御率3.94でリーグ最悪だった西武投手陣だが、今季は同トップの2.75とV字回復を果たした。

「昨季までは平良ら一部投手におんぶに抱っこだった。チームの台所事情を配慮すると、平良は強く先発を希望できなかった側面があった。しかし、本人が『不平等さを感じていた』と言うように、結果的に平良の希望はチームの犠牲になっていた。投手陣が立て直され、ここまで我慢した今、希望を通さなければ、いつまでも通せないと考えたのだろう。今回の交渉は金額に納得しながらも起用法には納得がいかず、判子を押さない極めて異例の展開だった」(NPB球団元監督)

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