“高額レアカード”架空取引で「トレカ販売会社社長」横領疑惑 背景に「1枚数十万レアではないというブーム過熱」

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500万で落札

 それにしてもトレーディングカードの架空購入で、そこまで高額になるものなのか。

「西浦氏が取引していたと主張していたカードは、そんじょそこらのカードではないのです。ファンの間では高額で取引される、なかなか手に入らない、いわゆるレアなカードを買ったことにしたので、多額の現金を引き出せた」

 果たして、ネットで検索してみると……。なるほど、出るわ出るわ、数十万~数百万円(!)もの高値がついたカードが。専門のフリマサイトでは、約500万でらくさつされたものもあるという。こうしたレアなカードを買ったことにすれば、たしかに億への道もそこまで険しくなかろう。果たしてどうしてここまで高額になっているのか。

レアではない

 都内のトレカ店店員に訊くと、

「こうした高価なカードは、大規模な大会の賞品として特別に配られたものや、過去に売られていて今は手に入らないレアものなどばかりです。そういうものを欲しがるコレクターは大勢いますから、当然、値段はどんどん跳ね上がっていきます。当店でも、数十万円相当のカードは置いてありますし、買っていかれる方ももちろんいらっしゃいます」

 今回の事件について感想を訊ねると、

「レアなトレカは、そもそも市場にほとんど出回っておらず、値段なんてあってないようなもの。こういうことが起きても全然珍しくないというか、レアなケースではないのかもしれません。ちなみに売れ筋は、ポケモンカードか、遊戯王カードです」

 西浦氏は、主にその「遊戯王」のレアカードを買ったことにして、その金で遊戯に勤しんでいた――。

デイリー新潮編集部

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