防衛費5.4兆円→11兆円で増税の不安 荻原博子さんは「所得は倍増どころか、半減するかもしれません」

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退職金も大幅課税

 消費税だけではない。今年10月から、75歳以上の後期高齢者の20%、370万人の医療費が倍になっているのだ。

「今までは、後期高齢者の医療費は年収が383万円未満だと1割負担でした。それが10月から、年収が200万円以上で383万未満は2割負担になったのです」

 国民年金の納付期間も延長されそうだ。

「厚労省は納付期間を5年間延長して、65歳未満まで納付することを検討しています。それによって、負担額は約100万円にもなります」

 さらに、老後の生活を支える退職金も増税となる可能性がある。

「退職金は、現行制度では、勤続20年まで、1年あたり40万円が非課税になります。20年勤務すれば、退職金は800万円まで非課税です。一方、勤続年数が20年を超えると、1年あたり70万円まで非課税となります。40年勤務すれば、退職金は2200万円まで非課税です。ところが政府税制調査会は、勤続年数で差をつけず、1年あたり40万円に一本化する方向で検討しているのです。これだと、40年勤務すると退職金の非課税枠は1600万円に縮小されます。600万円が新たに課税されるわけで、大きな増税になります」

 相続税にもメスが入りそうだ。親から子へ「教育資金一括贈与」は1500万円、「結婚・子育て資金一括贈与」は1000万円まで非課税だったが、政府税調は廃止する方向で検討している。

「夫が妻や子供へ贈与する場合、1人年間110万円まで非課税でした。ただし、贈与した人が亡くなった場合、3年以内に贈与した分は無効となり、相続税が課せられます。それを3年ではなく、10年までさかのぼって課税しようと検討しています。親からもらったお金をすでに使ってしまった後に課税されるなんてひどい話ですよ」

 政府は新型コロナ対策で国民への特別給付金や企業へ時短要請協力金など、これまで莫大な税金を注ぎ込んできた。

「そのツケがまわってきましたね。コロナで使ったお金を増税で穴埋めしようというわけですよ。コロナの影響で収入が激減、さらに物価が高騰して庶民の生活は苦しくなる一方です。岸田首相は所得倍増計画を打ち出していますが、このままでは所得は半減してしまいそうです」

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