「舞いあがれ!」 脚本家交代で吉本新喜劇化 業界からも辛辣な声

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脇役が宝の持ち腐れ

「朝ドラの中心的な視聴者である、やや高齢の在宅主婦層に寄り添っていないことが最大の原因だと思います。メインとなる視聴者層以外にも気を遣うから、物語が変な方向に向かってしまうのです」

 その気配は、脚本家が交代する前からあった。

「舞が五島から東大阪に戻り、大学に入学した途端、ただの青春群像劇になってしまいました。在宅高齢者が好きな家族とのやり取りや心の機微などがほとんど描かれず、人力飛行機のサークル『なにわバードマン』の部室や琵琶湖で人力飛行機を飛ばすシーンばかりになってしまったのです。舞の家には、父親役の高橋克典、母親役の永作博美、隣家のお好み焼き店には山口智充とくわばたりえ、その息子で舞の幼なじみには赤楚衛二、同じく幼なじみには山下美月と、実力のある脇役がいながら、これじゃ宝の持ち腐れでしょう。山下の父で“ドーベルマン望月”こと松尾諭は、人前で娘に金をせびるような男に成り下がってしまいました。舞の一大ターニングポイントである大学を中退して航空学校を目指す際も、その努力や葛藤がほとんどナレーションで済まされ、涙の別れもなく、あっさり合格、転学となっていました」

 そして舞台は、問題の航空学校へ。

視聴率が「ちむどんどん」と並んだ

「航空学校のクラスメートとして登場したSnow Manの目黒蓮は、神キャスティングのはずでした。しかし、現在出演中のドラマ『silent』(フジテレビ)で演じる優しすぎる男とは違い、感じの悪い性格という描かれ方も視聴者が離れる遠因となっています。今後は舞との恋愛シーンも描かれるのでしょうが、それもまた安っぽい青春ラブコメという感じですね」

 さらに、舞を演じる福原の変化だ。

「彼女は悪くないキャスティングだと思いますが、ちょっと媚びるような声と目線、表情が危ないとは感じていました。それが脚本家が変わり、演出の稚拙さでモロに表に出るようになってしまいました。反省会の視聴者もそれを感じているのでしょう。バイト先でコーヒーをぶちまけたり、母が作った朝食をスルーしたりするシーンがやり玉に上がっていますが、確かにもってのほかでしょう。今や彼女は嫌われかけています。前作『ちむどんどん』の黒島結菜の二の舞です」

 実際、視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯)のほうも、「ちむどんどん」並みという。

「『舞いあがれ!』のこれまでの平均視聴率は15・8%。朝8時スタートになった2010年前期以降で最低となった『ちむどんどん』の平均も15・8%でした。これ以上失速すると、『ウェルかめ』(09年後期)が持つ歴代ワースト記録13・5%を塗り替えかねません」

 もっとも、最終回までにはまだ4カ月ある。

「ここは是非、スタッフが奮起し、そして視聴者に寄り添うことで、タイトル通りに舞いあがってもらいたいものです」

デイリー新潮編集部

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