世界の人口は2050年頃「90億人」で頭打ちか その意外な原因と新たな難題とは

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 国連の推計によれば、世界の人口は11月15日、80億人の大台に到達した。

 70億人に達した2010年から12年間で10億人増加したことになる。

 国別に見てみると、人口1位の中国と2位のインドの順位が来年初めに逆転することが確実視されている。中国の人口は現在14億人だが、30年以上続いた「1人っ子政策」の影響で今年から減少に転じることが見込まれている。

 地域別では、これまでアジアが人口増加を牽引してきたが、その役割は今後アフリカが担うことになる。アフリカで人口が大幅に増加するとされているのはコンゴ民主共和国、エジプト、エチオピア、ナイジェリア、タンザニアなどだ。日本の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の推計人数、出生率)は1.3であるのに対し、コンゴ民主共和国はなんと6.1だ。

 アフリカのサハラ砂漠より南に位置する国々の人口は2050年には世界の人口の約22%を占めると予測されている。これまで「世界の5人に1人は中国人」と言われてきたが、30年後は「5人に1人がアフリカ人」の時代が到来することになりそうだ。

 人口増加は経済発展の起爆剤になることから、21世紀はアフリカの時代になることが期待されているが、「アフリカの人々が豊かな生活を享受するようになったら、地球が保有するエネルギーや食糧などが足りなくなる」との懸念も生じている。「世界の人々が米国人と同じ暮らしをするには地球が5個も必要となる」との試算があるからだ。

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