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日テレがしぶしぶニュース映像権を購入したワケ

「取材した会場の外の様子などをうまくつなぎあわせながら伝えると思われますが、ゴールを決める動画なしでどんな番組になるのやら……」(前出・テレ東局員)

 一方、高い放映権やニュース映像権を購入した他局も決して万々歳というわけではない。27日に予定されている日本対コスタリカ戦など10試合を生中継するテレビ朝日関係者はこう嘆く。

「今回、うちも数十億円を負担して、何百億円とも言われる放映権をNHKやフジテレビ、インターネット放送局のABEMAと共同で購入しましたが、どんなに高視聴率であっても元が取れることはありません。そもそも時差が6時間もあるので、深夜に行われる注目カードの視聴率は期待できない。放映権を持っている局は、ニュース映像権のみの局よりも多くの映像が番組でも使用できるので、ワイドショーからニュース番組まですべて使い切って、なんとかペイしようという算段なんです」

 前回2018年のロシア大会までは、TBSや日テレも放映権の共同購入に参画していたが、今回は降りた。両社はニュース映像権のみを購入してニュース番組などで使っているが、「それだって簡単に出せる額ではなかったはず」とテレ朝関係者は続ける。

「日テレさんにはメジャーリーグの放映権を契約しなかったために、大谷翔平の活躍をいまも静止画でしか報じられない苦い経験がある。背に腹は代えられない思いでカネを出したのでしょう」

なぜABEMAは全試合を買えた?

 では、今回、全64試合を無料で生中継するため、200億円を拠出したとも言われるABEMAは?

「グループ会社のCygamesが手掛けるゲームアプリ『ウマ娘 プリティーダービー』でボロ儲けしているからできる離れ業ですよ。採算なんて度外視しているんです」(同)

 カネがなければ報じることすらできない。そのくらいスポーツイベントがカネに支配される世の中になってしまったのである。

デイリー新潮編集部

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