ドイツ撃破「権田」「三笘」「板倉」「田中碧」は同じ“街クラブ”出身 「恩師」が語る“活躍は必然”の無双エピソード

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「簡単な練習」に失望して号泣

 もっとも印象深いのは27期生の田中碧だという。

「小学校に入学前の体験練習で初めてクラブに来た時のことですが、練習が始まってしばらく経つと、校庭の隅で田中選手が泣いているのに気づいた。私が“どうしたの?”と声を掛けると“こんなカンタンな練習いやだ。もっとムズカシイ練習やりたい”と訴えたので一瞬、言葉に詰まった。田中選手は幼稚園からサッカースクールに通っていたそうですが、練習が“簡単すぎるから”との理由で泣いたのは、後にも先にも彼だけです」(澤田氏)

 実際、田中は年齢からは考えられない技術をすでに身につけていたといい、入団後のミニゲームでは早速、ひとりでドリブルして相手を抜き去りシュートまで決めたことも。また2年生の時の試合ではこんなこともあったという。

「開始の笛が鳴って1分もしないうちに、田中選手は当時の監督のもとに駆け寄って“こいつら巧い!”と伝えてきた。そんな短時間で相手の技量を見抜いただけでなく、その後、自分でゴールを決め1点をもぎ取ると“この1点を守り抜くぞ”とチームメイトに声掛けして士気を高めていました。試合後、監督が“俺が言う前にアイツ(田中)が言っちゃうんだよな”とボヤいていたのを覚えています(笑)」(澤田氏)

 情熱や才能だけでなく、たゆまぬ努力と研鑽を積み重ね、いま「夢の舞台」で躍動する4人。その背中を、地元を超えて、全国のサッカーキッズが追いかけ始めている。

デイリー新潮編集部

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