安倍派後継争い、世耕氏を推す“38人の血判状”で大騒ぎに 予想外の顛末とは

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萩生田政調会長は「いまはダチョウ倶楽部のギャグのよう」

 先の“血判状”について安倍派の参院議員に聞くと、「ほかの多くの議員もそうでしょうが、私自身は“参議院全体が結束し、塩谷会長案には反対する”という趣旨で賛同したから署名した。現時点で世耕氏を総理・総裁の座を見据えた派閥会長にとは考えてはいませんし、“血判”も押していない」と証言する。

 つまるところ、安倍派は現役幹部の誰もが「安倍さんを超える会長としては帯に短し襷に長し」(自民党関係者)という状態にある。

 後継を争う一人の萩生田光一現政調会長は言う。

「幹部が(会長ポストを)競い合って分裂するのでは? と聞かれますが、いまはダチョウ倶楽部のギャグのようにお互いが“どうする? どうする?”“どうぞ、どうぞ”と譲り合っているだけですから、そこはあまり心配していない。ただ、“安倍総理の経済政策が間違いだった”と、政策で割れる人が出ると危ない」

 当面は現状維持で岸田政権を支える構えだが、船頭多き大舟の漂流は続く。

政治ジャーナリスト・山村明義

週刊新潮 2022年11月24日号掲載

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