岡田阪神に“不安材料”が山積…ドラフトや補強戦略に他球団から疑問の声

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「全然考えてない。いらんよ」

 15年ぶりに岡田彰布監督が就任することになった阪神。前回指揮を執った5年間では優勝1回、Aクラス4回と監督としての実績は申し分ない。また、オフにはフリーエージェント(以下FA)権を取得した西勇輝や岩崎優、岩貞祐太が揃ってチーム残留を表明し、2005年以来となるリーグ優勝への期待は早くも高まっている。しかし一方で、新岡田体制のチームを不安視する声も出ているという。【西尾典文/野球ライター】

 まず気になるのが、このオフの戦力補強についてだ。近藤健介(日本ハム)、森友哉(西武)などの大物選手がFA権を行使したが、これに対して岡田監督は「全然考えてない。いらんよ。せっかく、チーム若くなってきたのに、年寄りはいらん」と争奪戦への参戦を全面否定。また、外国人選手についてもケラー以外は全員が退団の見込みと報じられている。

 ここから新外国人選手の獲得に動くことは間違いないが、現時点での上積みはドラフトと日本ハムからトレードで獲得した内野手の渡辺諒と高浜祐仁だけである。Aクラスから優勝を狙うチームとしては、少し物足りなさを覚えるファンも多いのではないだろうか。

 これに加えて、その数少ない補強であるドラフトとトレードについても、疑問の声が聞こえてくるのだ。

“痛手のトレード”になる可能性も

「岡田監督からは具体的な選手についての要望はなかったようですが、野手は右打者が欲しいという希望はあったと聞きました。実際に指名した野手は育成まで含めて4人全員が右バッターです。チーム事情を考えると理解はできますが、少し偏った印象はありますよね。関西の高校生だと、左バッターの西村瑠伊斗(京都外大西→ヤクルト2位)を推す声も多かったですが、そういう事情もあって見送られたようです」(他球団の関西地区担当スカウト)

 セ・リーグ球団編成担当者は、日本ハムとのトレードに関して、以下のように分析している。

「セカンドを守れて、打力もある右バッターということで、渡辺に白羽の矢が立ったようです。ただ、渡辺の守備に関してはかなり不安がありますよね。守備範囲が狭く、糸原健斗と比べても守備面でプラスになるとは思えません。しかも、土のグラウンドの甲子園になると、さらに苦しくなる可能性は高いですね。もう1人獲得した高浜も、守るポジションが限られるので、守備が課題の阪神にとっては使いづらい選手ではないでしょうか。逆に日本ハムに移籍した斎藤は、この秋に160キロをマークして、力をつけてきていた投手です。(同じく日本ハムにトレードで出した)江越大賀もまた、能力の高さは誰もが認めるところだけに、パ・リーグでブレイクする可能性はありますよね。後から振り返ると、阪神にとって“痛手のトレード”になることも十分にあり得ると思います」

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