広瀬すずの次は橋本環奈…中川大志はなぜモテる? 主演作の監督は「誠実で頭がよく、モテない要素がない」

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浮ついていない

 飯塚健監督にも聞いた。

「初めて仕事をしたのは、15年放映の山田孝之君主演ドラマ『REPLAY & DESTROY』にゲストで出てもらったときで、オーディションで会いました。高1でしたが落ち着きがあり、浮ついたところがない。若くしてメディアに出ると調子に乗る子が多いなか、そういう人間ではないとすぐわかりました。16年公開の短編『全員、片想い』では中川君を指名しました。芝居の基礎代謝があるからです。芝居は“どう言うか”でなく“どう聞くか”。聞けないかぎりセリフは発せません。10代でそうできる子は1割もいませんが、彼にはそれがありました。18年公開の『虹色デイズ』は少女漫画原作ですが、実社会の男子校にもいる芯のある高校生を演じてくれた。そういう男じゃないと、実際にモテませんからね。大志自身モテるのは、気遣いができることもあるでしょう。私が開催しているライブショーに出演していない年でも差し入れは届き、年齢が離れていても腹を割って話せます。昨年公開の『FUNNY BUNNY』では、いままでにない近寄りがたい雰囲気をまとっていました。自分の親友が撲殺された過去をもつキャラクターで、それを背負いきれないと強い言葉が出せないから」

「スタッフにも礼儀正しく、機転が利く」

 続いて、昨年公開の「犬部!」の篠原哲雄監督。

「20~30代と年齢に幅がある役には、大志君は若いとも思いましたが、存在感があり、大人っぽい演技ができる印象もあったので、いけるなと。演出の意図を理解し、計算して芝居を組み立てることができるんです。主演の林遣都君に“一緒に動物病院をやらないか”と誘われ、中川君が“違うアプローチをするよ”と別れる重要な場面があって、当初は犬と散歩しながらの動きがあるシーンにしようと思ったのですが、彼は林君としっかり向き合わないと芝居ができないと感じていた。中川君の提案で、止まって話すシーンにしました。スタッフにも礼儀正しく、機転も利いている」

 あやかりたいと思っても、こりゃ無理そうだ。テレビ評論家の吉田潮さんは、

「いろんな現場でその場の空気を吸って、いろんな俳優の背中を見て育っているから、俺様にならないんでしょうね。わきまえた俳優さんで、すずちゃんも環奈ちゃんも、そこに大人の魅力を感じたのかもしれません。まだ24歳。酸いも甘いも経験して、もっといい男になっていきますよ」

週刊新潮 2022年11月17日号掲載

ワイド特集「人間、この不都合な生きもの」より

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