プロ野球公式球をメルカリに出品した現役審判員の素顔 窃盗で家宅捜索…動機は?

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バイリンガル審判

 ちなみに、この兵庫県在住の50代の審判員は、名審判として名高かった。プロ野球関係者が言う。

「大学時代はアメリカに留学し、オリックス球団で通訳も経験。しかし、選手と同じグラウンドに立てる審判への道を選び、バイリンガル審判員として活躍してきました。昨年は2千試合出場で表彰され、東京五輪にも出場。日本シリーズにこれまで5回出ているのも、一流の審判の証しで、今年も日本シリーズの公式プログラムに名前があったのに、理由が明かされないまま外されたのです」

 審判の仕事はつぶしが利かないからと、アメリカでゴルフのティーチングプロの資格も取っているが、そんな用意周到な男に、なにが起きたのか。野球評論家の広澤克実氏は、

「記事で読んだことがありますよ。アダム・スコットが取り入れている、グリーン上でパッティングのラインを読む技術を教えられる、数少ない日本人のコーチで、野球の審判でもあるという人。すごい人がいるものだと思いましたが、そんな多才な方が、なぜこんな幼稚な犯罪を行ったのか。ネットに上げた時点で、すぐバレるじゃないですか」

 と首をかしげる。結果、逮捕されるか在宅起訴になるかわからないが、審判のキャリアを棒に振ったことだけは間違いない。

週刊新潮 2022年11月17日号掲載

ワイド特集「人間、この不都合な生きもの」より

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