通算288安打の杉谷拳士が引退試合で侍メンバーから胴上げされた理由 天性のムードメーカー気質でテレビでも活躍

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〈杉谷拳士の“引退試合”、侍メンバーからも胴上げ〉

 というタイトルの記事を見て、誰か分からないという人も多かったのではないだろうか。プロ14年で通算288安打という記録のため、知名度はそれほど高くない彼が、日本を代表する野球選手たちに胴上げされたのはなぜか?

 それは彼、杉谷拳士(31)がいわゆる“記録ではなく記憶に残る選手”だったからに他ならない。

 帝京高校で甲子園に春夏通算3度出場したもののドラフト指名候補に程遠かった杉谷は、プロへの夢を捨てられず、日本ハムのテストを受け、辛くもドラフト6位指名を勝ち取った。

 とはいえ、プロ入り後もこれといった活躍はできず。早々に戦力外となってもおかしくなかったが、

「天性のムードメーカーだった。持ち前の明るさで、試合前や試合中のベンチを盛り上げたのです」

 とスポーツ紙デスク。

「特に、栗山英樹前監督に寵愛された。というのも、東京学芸大出身の栗山さんもプロへの道を諦めきれず、ヤクルトのテストを受けてドラフト外でプロ入りしたクチ。似た経歴の杉谷に共感したのでしょう」

バラエティー出演禁止令

 杉谷が盛り上げたのはベンチだけではなかった。

 シーズンオフになると、お茶の間を盛り上げた。正月恒例特番の名物コーナー「リアル野球BAN」で、帝京高野球部先輩のとんねるず・石橋貴明とともに「チーム帝京」を結成し、プロ野球スター軍団と対戦。シーズン中とは打って変わって打ちまくり、さらにはお笑い芸人もかくやというパフォーマンスを披露するなど大活躍したのだ。

 しかし、

「昨年就任した新庄剛志監督は、キャラが被っているのが不満だったのか、杉谷に“バラエティー出演禁止令”を言い渡した。なので、今年の野球BANに彼は出演していません」

 引退発表後、石橋が「私の事務所がドラフト1位で」とエールを送っていることから、来年の野球BAN復帰は間違いないだろう。

週刊新潮 2022年11月17日号掲載

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