体操・橋本大輝がW制覇、なぜ話題にならない? 解説での内村航平の「辛口コメント」の真意は

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 東京五輪の体操個人総合で金メダルに輝いた橋本大輝(21)が、今年の世界選手権をも制覇した。日本勢の制覇は内村航平以来7年ぶり、五輪と世界体操のW制覇は同じく内村に続いて日本人2人目の快挙である。

 にもかかわらずメディアの扱いは大きくない。

「我々も読者もついつい内村と比べてしまうので、橋本の偉業が実際よりも小さく見えてしまうんですよ」

 とスポーツ紙体操担当記者が苦笑する。

「本当は内村より難しい技をやっているんですけどね。若くて、イケメンで、性格も良い。もっと人気が出てしかるべきなのですが」

 ニュースの見出しはどれも〈内村以来〉というマクラが付く。そして橋本本人の喜びのコメントも〈航平さん、(着地を)止めましたよ〉などと伝えられる。体操界は今なお内村を中心に回っているのだ。

「実際、内村は日本体操協会で“アドバイザーコーチ”という肩書を持ち後進の指導をしています。合宿にも顔を出して選手たちに教えていますし、年上の監督やコーチにも助言を与えています」

内村の辛口コメントの真意は

 テレビ中継でも内村が解説を行っていた。が、それも橋本の人気上昇の妨げになっていた。

「橋本についてのコメントが“まだまだこれから”という感じでいちいち辛口なんですよ。身内意識があり、更なる高みに昇ることを期待しているんでしょうけど。叱咤は本人に直接言えばいいわけで、視聴者の前では橋本を褒めてそのすごさを伝えてほしい。でないと、視聴者も橋本を“まだまだ”の選手と思ってしまう」

 しかし、今の橋本を“すごい”とたたえても、過去の内村はもっとすごかったわけだから自慢にも聞こえてしまう。内村に求めるのも酷であろう。

 ならば、橋本自身が内村の実績を超えるしかない。が、内村は2009年世界選手権から16年リオ五輪まで五輪連覇を含む世界大会8連覇を達成したバケモノ。これまた至難だ。

「ただ、初めて五輪で金メダルを獲得した年齢は、内村の23歳に対し、橋本は20歳。橋本の方が早いので、本人が目標と公言する、前人未到の“五輪3連覇”は十分可能性があります」

週刊新潮 2022年11月17日号掲載

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