いまやキングオブコントは芸人役者への登竜門 なぜM-1 出身者よりも圧倒的に多いのか

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 誰が呼んだか“芸人役者”、役者として活躍しているお笑い芸人たちのことだ。今では珍しくなくなったが、芸人ならば誰でも役者になれるというわけではない。ここ1、2年は「M-1グランプリ」よりも「キングオブコント」で好成績を残した芸人たちが活躍する傾向にあるという。

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 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK)は、回を追うごとに、身内の粛正で暗さを増している。主人公の北条義時(小栗旬)はじめ長男の泰時(坂口健太郎)にも笑顔はなくなった。そんな中、義時の次男・朝時(西本たける)は、コンプレックスを持ちつつも気ままに生きているのが救いだ。

 実は西本、お笑いトリオ「スーパーサイズ・ミー」のメンバーだ。「鎌倉殿の13人」には彼以外にも“芸人役者”が少なくない。

 特に目立っていたのは、伊豆の武将・仁田(にった)忠常を演じた「ティモンディ」の高岸宏行だ。そして、鎌倉時代初期には関白も務めた公家のトップ・九条兼実を演じたのは「ココリコ」の田中直樹。さらに、茨城弁丸出しの漫才で知られる「カミナリ」の竹内まなぶは安房(あわ)の漁師役。お笑いトリオ「我が家」の坪倉由幸は、源頼朝に間違えられ殺されてしまった工藤祐経(すけつね)を演じていた。

 民放プロデューサーは言う。

「東京03」角田の活躍

「ココリコの田中は『鎌倉殿』の脚本を手がけた三谷幸喜さんが監督した映画『みんなのいえ』(2001年)に出演し、日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞したこともありましたから、大役を任されたのでしょう。我が家の坪倉やスーパーサイズ・ミーの西本も、演技が要求される役どころでした。彼らの芸風は主にコントで、キングオブコントで活躍しています」

 近年はM-1出身者よりも、キングオブコント出身者が芸人役者では目立つという。

「キングオブコントの優勝者で見ると、2009年の王者『東京03』の角田晃広、飯塚悟志、豊本明長は、それぞれが役者としても評価が高い。中でも角田は、『半沢直樹』(TBS)では気の弱い銀行マンを、『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ/カンテレ制作)では元夫の一人を演じ、来年のNHK大河『どうする家康』に出演することも発表され大活躍です」

 東京03のみではない。

「10年の王者『キングオブコメディ』の今野浩喜、11年の王者『ロバート』の秋山竜次、14年の王者『シソンヌ』のじろうと長谷川忍、18年の王者『ハナコ』の岡部大などが、役者としての評価が高い」

 最近の優勝者でも、

「20年の王者『ジャルジャル』の後藤淳平は、今年3月に配信されたWEBドラマ『信茂と勝頼』で信茂役に。昨年の王者『空気階段』の鈴木もぐらは『日本沈没―希望のひと―』(TBS)に、水川かたまりは『妻、小学生になる』(TBS)に出演するなど、今やバラエティよりもドラマでの活躍のほうが話題です」

 一方、M-1出身者はといえば、

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