キムタク登場「ぎふ信長まつり」はチケットなしの方がよく見えた? 観覧席当選まではラッキーだったのに

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「ああ、心拍数、上がってきたー」

 集まった見物客の多くが、信長に扮し騎馬武者行列に参加した木村拓哉目当てだったわけだから、その人気ぶりたるや。

 はるばる福井から来た40代の女性は、木村の姿が近づいてくると

「来た、来たあー、ああ、心拍数、上がってきたー」

 とこちらが心配なくらいの興奮ぶりだった。

 しかしそれも無理はない。確かに、さすがはキムタク。信長に扮して騎馬に乗る姿は様になっており、お世辞抜きにカッコいい。

「プラチナチケット」を巡り繰り広げられた争奪戦

 苛烈を極めたのがチケット争奪戦だった。

 市が用意した1万5千席の観覧席に対して96万6555人の応募が集まり、プラチナチケットとなった。当選者は相当ラッキーだったといえる。

 この観覧チケットは、当選した本人に加え3人までの同伴が認められたことから、余った“参加権利”をオークションサイトに出品する不届き者まで現れた。

 争奪戦はぎりぎりまで続き、行列当日を迎えた。

 チケットを巡る争奪戦はその時点で雌雄はすでに決したかと思われたのだが、意外なことに、“勝者”のはずだった観覧席からはブーイングが噴出していた。

「観覧席」とはいうが、席とは名ばかりの立ち見。そのため身長が低い人は「何も見えない」という事態が発生していたのだ。

 しかもフェンスに囲まれた「籠の鳥」状態で、騎馬行列が見える位置まで移動することもままならない。

 総立ちのアリーナ席で目の前に身長が高い人が並んでいるので見えるのは背中ばかり、というのと同じような状況になったわけである。

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