「イーロン・マスク」買収で“恩赦”続出騒動の内幕 Twitterはかつての「2ちゃんねる」と化すか?

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 10月27日、紆余曲折を経ながらも米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)による「Twitter」買収の手続きが完了した。その直後から、凍結されたアカウントが解除される「恩赦」に浴したと称する人たちが現れ始め、Twitter上で話題になっている。騒動の背景から見えてくるのは、マスク氏が描くTwitterの意外な将来像だった。

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 総額440億ドル(約6兆4000億円)もの大枚をはたいてTwitterを手中におさめたマスク氏は、すでに他の取締役を全員解任。自身が唯一の取締役としてTwitter社のCEOに就任したことが31日、米証券取引委員会に提出された書類で判明した。

 27日以降、今回の買収劇の成功を祝した「恩赦」と騒がれているのが“凍結されていたアカウントが解除された”と報告する投稿などが次々とTwitterに上がり始めたことだった。31日には“ガーシー”こと参院議員の東谷義和氏も「再取得不可の永久凍結」の措置を受けていたにもかかわらず、Twitterの新規アカウントを取得したと投稿(翌日に再凍結)。

 タイミングは買収完了の直前になるが、ユダヤ人に対する差別的な発言などでアカウントが一時凍結されていたラッパーでマスク氏の友人でもあるカニエ・ウェストのTwitterアカウントも「制限が解除された」と米メディアが報じている。

 マスク氏自身は、近く設置予定の投稿規制のあり方を協議する評議会を開くまで、「アカウント復活などはない」と関与を否定しているが、ITジャーナリストの井上トシユキ氏はこう話す。

「正確に“恩赦”がどれほど出ているかは不明ですが、タイミング的に見てマスク氏による買収完了が影響している可能性はあります。一部で指摘されているのが、評議会で決まる新たな投稿監視の基準づくりを前に、過去のグレーゾーンの違反事例を一度“白紙”に戻す動きが出ているというもの。真偽は不明ですが、早速の“マスク効果”が表われたと見ることができます」

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